848 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/01/21(月) 10:51:24
昼食を終えた僕達は料金を払った後(しめて27.25ドル。もちろん払ったのはチャダ)
男子寮に向かう。
「ちょっちゅねエダブエが~、取調べ室に向かう~」
僕に襲い掛かってきたおっさんをドナドナし、姪っ子と一緒に去っていくエダブエさん。
その背中はとても眩しかったが、僕はこの時計塔でやらなければならない事があるので
彼がどんなにいい男でもホイホイとついていっちゃあいけないのである。
時計塔男子寮446号室の扉は僕が出て行く前に比べそのデザインが大きく変化していた。
『ウェイバー死ね!!』
『なんでお前が帰ってくるんだ』
『チェンジで』
『チャダ、アンタも同罪だぞ!この紙は剥がすな』
『あーん、ケイネス様が死んだー!』
扉には張り紙と張り紙と張り紙と張り紙。そして張り紙。
ドア全面を使っても足りなかったのかドアの横の壁にまで何十枚分もの僕への文句が
張られている。しかも両隣の部屋の扉の領域ギリギリにまでみっしりと。
まるで悪霊払いの御札か差し押さえの様だと思った。
「すごいだろ、何度剥がしても俺が部屋を出た隙にまた張りなおされるんだ。
だからこのままにしてある。悪いな、嫌な物を見せてしまって」
「いや別に」
こう答えたのはチャダへの配慮とかではなく、本当に怒りとかなんて湧き上がってこない
からだ。ここまでされると怒るに怒れない。逆に感心してしまう。
さすがに部屋の中までは張り紙は侵食していなかった。
僕は手荷物をベッドの傍に置き、チャダに向き合う。
「さてと―」
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最終更新:2008年01月27日 23:21