164 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/02/04(月) 07:37:59


そろそろ目的地であるウェイバーの部屋が見えてくるはず、そう思った時不意に
目の前にロリが見えてきた。見た目の年齢はルヴィア以上バゼット以下、褐色の肌の上
に薄い布をグルグルと巻きつけ腰巻で留めただけの格好をした季節感完全無視の
ファッションをしたインド系のロリである。噂をすればロリとはよく言ったものだ。

ドアの前でジャンプと屈伸を繰り返して次々とドアの前に張られている紙を剥がしている
ロリ。その部屋の部屋番号と表札を確認すると間違いなくここがウェイバーの部屋だ。

「これで全部、と」

三人が部屋の前まで到達するのと同時に華麗な動きで最後の一枚を剥がし終えたロリは
左手に紙の束を抱えたまま、こちらを振り向き話しかけてきた。

「で、おぬしらは私に何の用じゃ?」

見た目に反して年寄り口調、声も見た目のイメージより若干低い。間違いない
この娘はジャンル・人外ロリだ。エミヤはそう確信する。

「私達はウェイバー君に会いに―」
「たわけ」

コルネリウス・アルバの言葉をイントロドンで理解し即座に却下するロリ。この間一秒。

「おぬしらの顔は初めて見るが、どうせおぬしらもウェイバーに文句があるという輩
じゃろ」
「いや、私はただ、ウェイバー君に無事の報告を」
「だがな、あの男が、ウェイバーがお前達にいったい何をしたと言うのじゃ?あやつは
自分に課された試練を受け、そして生還した。それ以上でもそれ以下でもないはずじゃ」
「あのー、私はロード・エルメロイの講演会を聞きに来たのがいつの間にかこんな事に」
「それなのにお前らエルメロイ派は自分のところの将来ばっかり気にして」
「私は正義の味方エミヤーマン、好きなモンスターはブルーアイズホワイトペンドラゴンだ」
「本当にケツの穴の小さい奴らよ。お前らに比べればヘタレで礼儀知らずでも
ウェイバーの方がずっといい男じゃぞ」

何やら色々と溜め込んでいたらしいロリ、アルバとバゼットの話を無視して延々とよく
わからない話をしていた。が、しばらくしてその話がぴたりと止まる。
そして顔付きが怒りから疑惑のものへと変わっていく。

「・・・そこの赤いの、いま何と言った?」
「だから、ウェイバー君に会いに来たのだと」
「おぬしではない。そっちの美しい形の尻をした赤いのじゃ」
「ぬ?私か?」
「う、うむ。おぬしの名をもう一度」
「えーと、正義の味方エミヤーマンですが」

その名を聞いた途端ロリの顔は赤く染まりその目には涙が滲み始めた。
全身は小刻みに震え、開いた口からは涎が鼻の両の穴からも水が流れ出していた。

「そ、その者赤き衣に身を包み英国において汝の隣人となる男の危機に光臨す」

ぶつぶつと預言めいた言葉を涙声で呟くロリ、もう目の焦点は合ってないわ、足元は
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってるわではたから見たらエミヤが幼女を泣かせてしまった
様に見えてしまう。いや、この場合ロリに起こった変化に原因は間違いなくエミヤにある。

世の中には見ず知らずの大人に挨拶されただけで泣いてしまう怖がりなロリは確かにいる。
だが、人外ロリの風格を持っていたさっきまでの彼女はどうみてもその例からは外れていた。
そんなロリを泣かせてしまう、それほどまでに自分は不審人物だったのかとちょっとだけ
エミヤは反省した。だが、ロリが泣き出した理由は別に存在した。
しばらくして、ようやく涙と震えが止まりロリがある程度の落ち着きを取り戻した頃、
彼女自身の口からその理由が明らかとなる。

「ゲミ・ラマン、いや、この国の標準的な発音でいうとエミヤーマン、お待ちして
おりました。まさか本当に会えるとは夢のようでございます」

抑止力エミヤ、彼は時代と場所を問わず世界の危機を救う存在。
ならば力ある霊媒師が彼の存在を知覚し、エミヤを信仰する集団が結成され、彼の行く
場所に偶然いる事も可能性としてはある。そして、いままさにそれが実現されて
しまった事をエミヤは理解した。

(うっわ~~~~、やりにくっ!はっきりいって仕事の邪魔だ!!)

そう、今回エミヤがとっている『わざと自分が抑止力っぽい事を言って信じさせない作戦』
が一切通用しないかもしれない相手が目の前のロリなのである。

【選択肢】遠坂桜のストーリーが凄いことになっているのにビックリ。
まんじゅう怖い:自分がエミヤーマンである事を肯定する。
こんどは一杯のお茶が怖い:自分がエミヤーマンである事を否定する。
カオス展開が怖い:ロリの肩に手を置き、「――フィィィィィシュ!!」


投票結果


まんじゅう怖い:0
こんどは一杯のお茶が怖い:0
カオス展開が怖い:5

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最終更新:2008年03月06日 21:56