116 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/03/16(日) 12:39:19
「会議室で大活躍した男、エミヤーマッ帰還!」
「会議室での尋問で多くの人の前で元に戻らされた女、チャダ帰還!」
「ぽえええええー!」
会議は本当に地獄だった。正直良く生きて帰れたもんだと自分と赤いのを褒めたい。
だがしかし、地獄から帰ってきたらまた地獄。僕のプライベートは完全に破壊されていた。
壁の穴の向こうには、つきっぱなしのテレビ、日記を懐にしまうアルバさん、
タバコを吸うスライム、会議室から僕達と入れ替わりに出て行ったと思ったらこんな
とこにいるサラ、そして―――、なぜか中学生。スライムはたぶんアルバさんのだとして、
この子は誰だろうか。
「突っ込むべき所が一杯だけど、とりあえず君だれ?」
「授業見学に来たバゼットと申します、使ってない教科書があったらください!」
「やらん、そして帰れ。それから全員部屋から出て正座」
「「「「えー!!」」」」
いや、何でそこでえー!なんだよ。盗人たけだけしいにも程がある。
全員を座らせてから質問タイムに入る。
「さて、アルバさん。僕達がドナドナされてから戻るまでの間何をしていたんですか?」
「そこの少女の提案で家捜ししていたのだよ。君の事をもっと知りたかったからね」
アルバさんが語った所によると、エルメロイの講演会を聞きに来た彼女が色々と暴走した
挙句、僕の部屋から授業に関するものを探すという明らかな犯罪行為に至り、
アルバさんや途中から加わったサラも面白そうなので協力したとの事。止めろよお前ら。
「いや、本当に面白かったよ。何せ私達が収集した情報には―」
「・・・ぽえ」
「ん?」
「ぽえー!ぽえー!ぽえー!ぽえー!ぽえー!ぽえー!」
「う、うわっ。ウェイバー君が壊れた!!」
気が付いたら僕はアルバさんに馬乗りになり奇声をあげながらマウントパンチを
連打していた。
「落ち着けっウェイバー!そんな事をしても何の解決にもならんじゃろ!」
後ろから羽交い絞めにして僕を止めるチャダさん。多分彼女が止めなかったら
アルバさんが泣くまで殴るのを止めなかっただろう。ちなみにマウントを取っているにも
関わらず僕のパンチは全部かわされていた。ちくしょう。
「ウェイバー、過ぎた事は仕方が無い。それよりも詳しい話を聞くべきじゃ」
「あ、ああ。えーとアルバさん、それであなた達はどれぐらい僕のプライベートを侵害
したんですか?正直に話さないとマウント再開するぞコノヤロウ」
悔しい事に僕のマウントなんてアルバさんには何の脅しにもならなかったのだろう。
でも、それでもアルバさんは正直に話してくれた。
「安心したまえ、インド人の買ってきたテレビでインド人のベッドの下にあったインド人
秘蔵のビデオを見た後インド人の日記帳を盗み見ただけだよ。君のプライベートの物は
残念ながら見つけられなかった」
アルバさんの言葉に嘘は感じられないし、部屋の中を覗いても僕の生活領域の方は殆ど
荒らされた形跡が無い。
ほっと胸を撫で下ろす。良かった、僕の日記とかエロ本とかは無事だったみたいだ。
チャダさんのマウントから逃れようとするアルバさんをほっといて、僕は次に重要な
事を別の人物に質問する。
「ところでサラ、その・・・日本での事だけど」
そうだ、日本の飛行場で彼女は僕を襲撃している。あの時彼女は本気だったのだろうか。
聞くなら今が絶好の機会だ。
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最終更新:2008年08月19日 03:08