451 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/04/08(火) 04:02:16
「君にな、警告がしたかったのだよ」
「警告?」
「君がウェイバー・ベルベットを守ろうと必死になっているのは誰が見ても明らかだ。
そんなに堂々と彼の側についてもらうと私としては逆に邪魔だからな」
そう言い、エミヤはチャダの服を脱がせにかかる。
チャダはエミヤが何を言っているのか理解するまでにしばらくの時を要した。
体に巻きつけた布が半分程ほどかれ、胸が露わになった所でようやくその言葉の
意味に気付く。
「つまりお主は私が足手まといになるといいたいのじゃな」
「そうだ、これからウェイバーを中心として起こる事件、その内容や黒幕が誰なのかは
断定できないが君ごときで太刀打ちできる小さな問題ではない」
この言い分、そして乳首に吸い付きながらこちらを見る気高き顔つき、やはり彼は
預言にあったゲミ・ラマンなのだろうか。
しかし―、
「しかし、お主は先程会議室で自分がコルネリウス・アルバに召還された幽霊だと
言ったではないか」
「ああ、それも正しい。私はアルバに召還された幽霊であると同時に正義の味方
エミヤーマンなのだよ。世界の危機の前に登場するのは本分ではないが、今回はちょっと
趣向を変え、犠牲を最小限にしかつ私自身の心の平穏を得るという目的の為早めに参上
したのさ」
チャダの平らな胸をもみしだくエミヤの発言は全て本当である。
しかし、その様な話はとても信用はできない。例え預言の通りの日に預言の通りの姿で
自分の目の前に現れようともチャダには彼の話は無理がありすぎ納得の行くものでは
無かった。
染み出てきた母乳を舐め取られながらチャダは反論する。
「そんな変な話があってたまるか。やはりお主はゲミ・ラマンを騙るパチモンじゃ。
大体お主が抑止力だとしたら、それを呼び出したアルバは何モンじゃ」
「彼は先日、もう少しで根源に辿り着く所だった」
「真顔でふざけるでない!!」
時計塔に光臨するゲミ・ラマンを迎える事が巫女たる彼女に与えられた最重要任務だが、
昔話で聞いたイメージと目の前の自分を裸に剥いていく男のイメージがあまりに
違いすぎる。
何より、小規模な祈祷集団で育ってきたチャダにとってエミヤの話の内容は理屈では
分かっても完全に脳の許容量を超えていた。
つまり、彼女の常識はエミヤの話を真実と思う事を否定し、目の前の男を
よく分からない変態として再認識したのである。今後この認識が覆る事はないだろう。
「で、結局お主はどこの誰なのじゃ?それと何故真剣な顔で私の服を脱がせていく?」
「だからエミヤーマンだと言ってる。それと、服を脱がせていくのに意味は無い。
こうやって真面目な顔をして真面目な話をしていれば君の裸を拝めるかもと思って実行
したのだが、思いのほか上手く行った。ではそのパンツも降ろさせてくれないか?」
チャダは蹴った。ゲミ・ラマンじゃないとしたら何でウェイバーを助けるのかとか、
そもそも今回の件とは直接関係のなさそうなアルバは仕事もせずにいつまでロンドンに
居座るつもりなんだろうとか疑問が残ったがとりあえずエミヤが霊体化して逃げ出すまで
その股間を蹴り上げ続けた。
(族長、私もうインドに帰っていいですか?)
今は我慢だチャダ。そのうちカッコいいゲミ・ラマンに会える日まで我慢だチャダ。
完全にエミヤの計画通りである。最初の目標である自分を抑止力だと認識する存在の
除去と警告は無事に成功した。自分を慕う存在を裏切るのは心苦しいが、これも自らの
磨耗を防ぎ仕事を完遂するが為。これで心置きなく動く事が出来る。
(でもここまでの行為自体が私を磨耗させてなくないか?それにすごく怪しまれてる
気がするし、警告の効果は出てなさげだし)
気にするなエミヤ。気にしたら負けだエミヤ。
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最終更新:2008年08月19日 03:09