106 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 00:51:36


 街を二分する未遠川。
 そのほとりにある公園にやってきた。
 辺りは犬の散歩をしている老人や、ランニングをしている人がちらほらと見えるだけだ。
 その中に氷室の姿は……無い。

「ここにも居ないのか……」

 ライダーの言うとおり、静かな場所を当たってみたのだが。
 ここなら午前中は子どももいなくて、静かだと思ったんだけどな……。

「あれ? お兄さん、こんなところに居るなんて珍しいですね」

 ……視界の端から、ひょこひょことこちらに近づいてくる奴を確認。
 俺の胸くらいまでしかない身長のそいつは、俺のそばまで寄ってくると、新種の昆虫でも見たかのような顔で首を傾げてきた。

「学校は自主休学ですか?
 駄目ですよ、義務じゃないとはいえ、学業は大事ですから」

「……ギルガメッシュ」

 近寄ってきたのは、若返りの秘薬を飲んで奇跡の逆行を果たした子どもの王様、ギルガメッシュだった。
 見た目○学生の奴に学業は大事ですから、とは言われたくないのだが、今はそれどころではないので言わないでおく。

「氷室を探してるんだ。どこかで見なかったか?」

「氷室って、由紀香の友達ですよね?
 でしたら、僕は見てません。少なくとも、この公園には来てないでしょうね」

「そうか……ところでお前、人探しの宝具とか持ってないか?」

 もしあったら是非使わせて欲しいのだが。
 しかしギルガメッシュは渋い顔で首を振った。

「うーん、あるかもしれませんが……今の僕では取り出すことが出来ないんですよ。
 すみませんが」

 やっぱり駄目か。
 しかし、ここにもいないとなると、後はどこに行けば……?
 と、この町の地図を思い浮かべながら考えていると、横からギルガメッシュが声をかけてきた。

「あのー。僕は鐘のことを良く知らないので、お役に立てませんけど。
 でも、いつも一緒に居るお二人なら、どこに行くのか心当たりがあるんじゃないでしょうか」

 なるほど、一理ある。
 氷室が行きそうな場所を知ることができれば、逆に――行きそうにない場所もわかるということか。

「……よし、次に行ってみる。アドバイス、ありがとな」

「いえいえ。よくわかりませんが、がんばってくださいね」

 にぱにぱと手を振るギルガメッシュに手を振り返し、俺は公園の出口へと駆け出した。
 時間はもうすぐ11時になろうとしている。


《1時間》
α:衛宮邸付近を捜す。
β:学園付近を捜す。
γ:商店街付近を捜す。(9時に確認)
δ:間桐邸・遠坂邸付近を捜す。
ε:柳洞寺付近を捜す。
ζ:未遠川の公園付近を捜す。(10時に確認)

《2時間》
η:港付近を捜す。
θ:駅前付近を捜す。
ι:教会付近を捜す。
κ:幽霊洋館付近を捜す。

《3時間》
λ:郊外の森を捜す。

これまでのアドバイス
ライダー「考え事ならば、静かな場所でするのではないでしょうか」
子ギル「いつも一緒に居るお二人なら、心当たりがあるんじゃないでしょうか」

投票結果

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年09月06日 01:22