185 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:02:01
……見つけた。
「……………………」
港に一人佇んでいるのは氷室鐘。
夕日の中へ走り去り、追いかけられなかった少女。
その彼女が、こっちを見つめている。
「……よぉ。奇遇だな、氷室」
「……奇遇に過ぎるな。ここは衛宮の活動圏ではないだろう」
何故だ、と睨まれる。
蒔寺からは、"氷室は、アンタを殴りたくっても、殴るようなヤツじゃない"という、実にまことしやかな話を聞かされている。
現に、氷室は俺に近寄ることもせず、ただ波打ち際に佇んでいるだけだ。
「……そうか。つまり、私を探しにきた、というわけか、君は」
「ん……そういうコトだ」
「ご苦労なことだ。
それで、衛宮が私を探しに来た理由は何だ?
もっとも、大方の見当はついているのだが」
「……」
ここに至るまで、色々な人に出会った。
その度に答えてきた覚悟を、ついに氷室本人に対して口にした。
「昨日のことを謝ろうと思って。気分の悪い思いをさせて、済まなかった」
「――やはりか」
氷室の声に揺れはない。
本当に、俺がここにやってきた時点で、俺がここにやってきた理由を察していたのだろう。
「昨日のことで気に病んでいるのはむしろ衛宮のほうだろう?
アレは私が勝手に思い込んでいただけだ。
衛宮が気にかけることではない」
なんでもない、と言いたそうな、氷室の語り口。
……それは恐らく間違ってはいないのだろうが、それだけで片付けられるのならそもそもこんなところまで来ていやしない。
氷室はそれっきり口をつぐんだ。
話はまだ終わらせるつもりは無かったが、なぜか静寂を俺のほうから破る気にもなれなかった。
「……いいのか? 衛宮」
「なにが?」
「授業の途中だろう。
学校を勝手に抜け出して、『暇をしている私に付き合っていて良いのか、ということだ』」
……その言葉に、ピンと来た。
かつて、これと似たような会話をしたことを思い出す。
「今更戻っても、着いた頃には放課後だしな。
『ここまでは帰り道の一環だよ』」
「『ならば良いのだが、あいにく私と君はここで』」
俺と氷室の、唐突な言葉遊びは続く。
氷室が一瞥した先には、ブランコではなく波止場の縁。
「『あれに並んで座って語り合う様な、甘い話題があるとも思えない』」
――その言葉は、遊びの延長か、はたまた拒絶の断定か。
186 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/09/06(水) 22:05:46
無人の港、距離を置いて立っている俺と氷室。
その距離はそのまま、二人の間柄を暗に示しているようで。
だが、だからこそ。
俺は一歩踏み出すと、言葉遊びを一歩繰り上げる。
「ああ、甘い話になるのは望むところだが。
俺と氷室だったら有り得るよな」
「――な、に……!?」
氷室が、今日はじめて言葉を詰まらせた。
その間に、氷室との間合いを歩いて詰める。
「『……人並みに傷つくな。
今のは、そんなに大げさなリアクションをされるような発言だっただろうか』」
「……それは、私の台詞だろう……」
氷室が小さく抗議するころには、俺はとっくに氷室の横に座り込んでいた。
「そこは、本歌取り、ということで。
どうする? 座らないのか?」
コンクリートをパンパンと叩いて、座ることを促す。
「…………」
氷室は葛藤していたようだが、結局、俺の横に同じように腰を下ろした。
二人して足を水面に下ろしながら、海に向かって横に並んでいる。
端から見れば、それはあたかも――。
「……済まない、衛宮」
座ったまま再度黙りこくっていた氷室が、ぽつりと謝罪の言葉を口にした。
「どうした?」
「頭がごちゃごちゃして、会話の続きが上手く思い出せないんだ」
「……そうか。まあ、最初に順序を崩したのはこっちだし。
言いたいことだけ言えばいいんじゃないか?」
「……ああ、わかった」
ここからは、言葉遊びの名を借りた、氷室の……。
「……こんな気持ちになってしまう私は、一体どうしてしまったのだろうか。
はっきりと自覚したのは昨日だが、潜在的にはいつからだったか全くわからない。
自分でもこの気持ちがなんなのかはわかっているつもりだが、
それを認めてしまったらどうなるのかもわからないんだ。
……でも、恐らく、私は」
君に恋をしているんじゃないか、と。
氷室は自信無さそうに呟いた。
α:氷室をデートに誘う。
貴方の氷室度はAランクです。(1時~3時に発見)
その功績を称えて「デート内容リクエスト」を募集。
190
195
200
に書かれたリクエストを次回以降に投影。
過度なエロ表現、実現不可能なリクエストは禁止。
(ボーダーラインは溶けたクリームを舐め取るとかその辺)
投票結果
- α 5 決定
- 190 一つのジュースにストロー二本さして飲む
- 195 さーて、来週の氷室さんは?↓
- 196 ランサーかアーチャー辺りが人手不足で困っているのに遭遇。しかもちょうど女性が必要だとのことなので、氷室はしぶしぶ士郎と手伝いに行くことに。そしてそのお手伝いとは結婚式場(言峰教会?)で、しかもパンフレット写真用にタキシードを着た男性と、ウェディングドレス着た女性を撮るというもの、花嫁役は氷室で決定、男性役は他の人でも出来るとのことだがその時士郎は……。
- 200 銀様が途中で乱入、氷銀、一気食いだ!!
202によるまとめ
まず喫茶店で2人で1つのジュースを飲んだ後に
結婚式場でバイト、新郎新婦の格好してる時に式場の大鏡から水銀橙登場って感じか?
最終更新:2006年09月16日 05:35