210 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/06/05(木) 14:08:45
「あ、ありがとうございますサラさん・・・ってええー!!」
抱きしめる両手から離れ振り返り礼を言うバゼット、そして異常に気付く。
アフロ~ン(振り返ればそこにアフロがあった事を示す擬音)
セーラの髪型は見事なアフロヘアーになっていた。犯人はアルバである事は容易に
想像が付く。さらに、
ばびびーん(バゼットが当たった衝撃で服が破れていく的な擬音)
「サラさんがあっという間に下着姿にー!!」
胸の所からどんどんジャージが破れていき、ボロボロの下着を残して全滅した。
きっかけはバゼットだが、ジャージの切れ端をよく見ると焦がした跡が見られるので
これも犯人はアルバである事は確定的に明らかだった。
「サラさん、誰か来る前に早く前隠してくださいー!」
「ぼひゅ」
何か返事をしようとしたのだろうか、声の代わりに口から黒い煙を一塊出すセーラ。
それを最後に言葉を発する事無く黒目が瞼の奥に消えていく。
チーン(終わりますたな擬音)
「昇天したー!」
ロード・エルメロイの教え子の中でも飛びぬけた魔力量を誇るセーラだったが、
さすがに色々と限界だったのである。
(参考記録・セーラがここまでに消費した魔力一覧 単位はミリベルベット
100mv=ウェイバー・ベルベット一人分)
空港トイレの結界作成と爆破―60mv消費
帰国後不眠不休での会議参加―4mv消費
昼食にパスタ一皿―1mv回復
男子寮にアルバがいると知りダッシュ―5mv消費
到着後うっかり眠りこける―10mv回復
アルバ戦1(スライムが出た後の戦い)―45mv消費
アルバ戦2(ウィリアムが遭遇した戦い)―40mv消費
アルバ戦3(体育館で色々あった頃こっちでも勝負は続行していた)―180mv消費
高速で飛ぶバゼットをキャッチ―23mv消費、そしてここで枯渇。
「と、とにかく誰かに見られる前にサラさんを隠さないと色々とマズイっ」
「そこのボーイッシュな女の子とほぼ全裸の人、何しているの?」
「早速見られたー!」
女子寮に帰る所だったのだろう女性とばったり遭遇してしまうバゼット。
「ち、違うんです。これは」
「なるほど、見たところあなたは彼女を助けようとしているみたいね。そうでしょう?」
「えっ?」
「だったら他の人に見られる前に運ばないといけないわ!すぐそこの女子寮に連れて
行けば良いわよね?」
ずいぶんと話の分かる女性で助かるとバゼットは思った。さすがは時計塔の魔術師だと
感心する。通りすがりの女性と共にセーラを運び、バゼットは再度ゲートキーパーと対峙
する。
「まだこりぬか女装少年、―ぬ、汝が背負いしアフロはここの生徒ではないか」
「はい、この人をこのままにしておくわけにはいかないし、それに私はこの人と
一緒に女子寮に行く約束をしていたんです。お願いです、通してください」
「あ、私は普通に帰ってきただけなんですけど。私からもお願いします」
「うむ、我が使命は時計塔の女子を不埒な男の手から守る事にあり。
汝の清らかな心と女子からの信頼しかと見た。汝は女子に対して不埒にあらず。
我はここを動けぬゆえそのアフロは汝達に任せよう。では行くがいい、ホモ女装少年」
こうして女子寮に入る事に成功した三人。入り口すぐの案内表で確認できたセーラの
部屋へと向かう。幸運にもこの間にも誰にも会わず、裸を見られて面倒な事になる事は
無かった。だが、部屋の前まで来た時、ここで誤算が生じた。
「どうしよう、鍵が掛かっています。そして、鍵がありません」
おそらくは、破れたジャージといっしょにこぼれ落ちてしまったのだろう。
今から戻って回収するには時間が掛かりすぎるし、見つかる保障もない。かといって、
扉を破ろうものなら何かしらのセキュリティが働き、三人共々以後時計塔で白い目で
見られてしまうのは容易に想像できる。
「ちょっとどいて」
突然、一緒に来てくれていた女性がバゼットを押しのけドアノブに手を置く。
一秒足らずの詠唱と共にドアノブを捻るとドアはあっさりと開いた。
「開錠の魔術ですか」
「ええ、さっ早くその人を中に」
セーラを担ぎ二人は部屋の中に入る。そして、誰にも見られなかった事を確認し
バゼットは一息つく。
「ふう、何とかなりましたね」
「ええ、あなた達には本当に感謝しているわ」
「何いってるんですか、助けてもらったのは私たちの方ですよ」
「いや、助けてもらったのは私の方さ。君達のおかげでゲートキーパーに疑われる事無く
女子寮に入る事が出来たからね。本当にいくら感謝しても足りないぐらいだ」
いつしか、バゼット達を助けた女性の話し方は男性のものに変化していた。
いや、話し方だけではなく声も外見も既に全く別の物になっている。
赤いスーツに赤いシルクハットのその姿は―、
「コルネリウス・アルバ女子寮に華麗に登場!」
背後に爆発のエフェクトを出し荒ぶる鷹のポーズを決めるアルバ。
そして、白目を剥いて立ったまま気を失う。
チーン(終わりますたな擬音)
「全ての元凶が勝手に正体バラしてそんでもってそのまま昇天したー!」
天才魔術師コルネリウス・アルバにだって魔力の限界はある。本人も久しく忘れていた
その限界が今訪れたのだ。
(参考記録・アルバがここまでに消費した魔力一覧)
便器破壊による結界突破―45mv消費
ジャンボジェットに挑戦―800mv消費
琵琶湖ダイブのダメージ緩和―120mv消費
エミヤーマン召還の儀式の補助―75mv消費
飛行機内でゲロを我慢―5mv消費
ケーンのパンチに対する防御―4mv消費
黒板からの復活―30mv消費
合体攻撃ウルトラガーディアンフォーメーション―40mv消費
こるねりうスライム操作―2mv消費
セーラ戦1―消費なし
日記の開錠―消費なし
部屋の住人×2のマウントパンチ回避―1mv消費
セーラ戦2―40mv消費
セーラ戦3―100mv消費
変装から現在に至るまでの一連の行為―25mv消費
背後に爆発のエフェクト―一回ごとに0.5mv消費、そして今回できっちり枯渇。
こうして、部屋の中で元気一杯なのはバゼット一人。バゼットは気付いてしまった。
今は彼女にとってすごくチャンスである事を。
『倫敦ポリス伝記2・バゼット13歳、今度は女子寮で家捜しだ!』
あなたは時計塔に講演会を聞きに来たバゼット・フラガ・マクレミッツ。
様々な冒険を潜り抜けたあなたはついにロード・エルメロイの教え子の部屋に
辿り着いた!今なら色々と探し放題だ!
部屋を見渡すと机と本棚そして冷蔵庫がある。机には書きかけのレポートの横に
葉書大のカードが飾られており、ロード・エルメロイらしき男と十人前後の男女が
描かれている。
本棚にはロード・エルメロイ関連の書物と綺麗なおっぱいの作り方の本がある。
冷蔵庫の扉はしまっており、特に異臭はしない。
あなた「お宅訪問だー!」
身も心も中二全開なあなたは自重しない!
アルバ・サラ「・・・・」
返事が無い、ただのしかばねのようだ!
【選択肢】
ダーエロ:開ける→冷蔵庫
ニンニン:調べる→カード
死神五世:取る→おっぱい本
パワードラゴナス:見る→レポート
ムシャ:おこす→サラ
投票結果
ダーエロ:0
ニンニン:0
死神五世:5
パワードラゴナス:1
ムシャ:0
最終更新:2008年10月07日 21:43