612 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2008/08/07(木) 19:57:23
スーツ姿の男装の麗人が正体をばらす―、このシチュエーションを聞いてあなたは
どんな姿を思い描きますか?私はサラシに押しつぶされた胸が露になりそれを見た
主人公が鼻血ブーとなるシーンを想像しました。多分これを読んでいる皆さんも
シチュエーションの違いは数あれど、オッパイでばれるというのは9割以上の人が共通
して持っている認識のはずです。
つまり、スーツ姿で男装する女性は総じて巨乳に育つと言う事なのです。間違い
ありません。
乳胸揉の輔著『オッパイスキー虎の巻』より抜粋
「んなバカな」
そういい、バゼットは本をぱたりと閉じる。
スーツを着てサラシで胸を押し潰せば大きく育つなんてそんな馬鹿な話、到底信じられ
なかった。信じられなかったのだが―、
バゼットは後ろを振り返る。荒ぶる鷹のポーズのまま失神しているアルバの横、
この部屋に来るまでの間ずっと魔力切れで寝ている女性、部屋の主セーラ・マッコイ。
巨乳がキャラ付けの8割を占める彼女の姿を見ると、この本の力を信じたくも
なってくる。果たして、この巨乳は男装によるものか天然かあるいはシリコンか、
真偽を知るべくバゼットは彼女を起こしにかかる。
「サラさんサラさん、起きてください」
魔力が尽き気を失ってからかなりの時間がたっていた事も功を奏したのだろう。
唇をめくり上げられ歯茎を爪で引っかかれたセーラは、んぎゃーと悲鳴を上げ眼を
ゆっくりと開いた。
「ん・・・あれ、ここ私の部屋?」
「サラさん、ハウドゥユーボーイング?(訳:あなたはどうやって巨乳になったのですか?)」
「そこの机のレポートの下に写真・・・、お願いもう少し寝かせて・・・」
再び眠りについたセーラに頭を下げバゼットは机の上を調べる。机の上に沢山の人が
書かれたカードがあったが写真じゃないので無視。専門用語オンパレードで何を書いて
あるか理解できないレポート用紙を払っていくと果たして一番下に写真があった。
時計塔の魔術師がカメラで撮った写真を持っているのは珍しい事かもしれないが、今は
そんなことは問題ではない。バゼットは写真の人物を確認する。数人の魔術師に囲まれ
真ん中に写っているのはバゼットと同じぐらいの年頃の少女。その顔にはセーラの面影
があるが、胸が平らなのですぐには気づくことが出来なかった。そして、写真の中の
セーラは正しくスーツ姿だった。
「答えを得ました。母さん私はこれから頑張っていきます」
まさにこの瞬間、バゼットは母親を説得し時計塔に入学するに足る理由を手に入れた。
投票結果
最終更新:2008年10月08日 16:48