335 :371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg:2008/11/08(土) 18:33:09


「やあ衛宮、久しぶりだね」

「ああ。
 なぜだか半年振りくらいに感じるよ」

 埃を払いながら挨拶をしてくる慎二に、俺も挨拶を返す。
 時系列的にはさっき学校で会ったばっかりなんだけど。

「とりあえず、救助してくれたことには感謝するよ。
 あのまま、危うく衛宮の家の備品の一つになるところだったからね」

「水銀燈たちの話を聞いて、なーんか嫌な予感がしたんだよな。
 流石にこれ以上ウチに珍妙なガラクタが増えるのは勘弁してほしいからなぁ」

「あれ、今さりげなく侮辱されたよね僕?」

 いやはや、なにはともあれ慎二が無事でよかった。
 家に帰ってきた俺は、とりあえずドールが増えてることに驚いた。
 その内の一人は初めて見る子だったけど、ひとまず話をするのは後回しとなった。
 なぜなら、お茶を飲んでいた真紅が、そういえば、と洩らしたのだ。

『なんか変な人間が来たのだわ。今は土蔵で埋まってるけど』

 これだけの言葉で、とりあえず土蔵に行ってみようという気になる俺も大概だと思う。
 で、崩落を起している土蔵の惨状に軽くめまいを感じながらも、なんとか慎二を発掘したというわけだ。
 もっとも、慎二が何故に俺の家の土蔵でハイパーレスキュー待ちになっていたのかは謎のままである。

「で? 僕に飛び膝蹴りを食らわしてくれやがったあの金髪人形は何処へ?」

 謎は全て解けた。

「落ち着けよ慎二。
 お前は飛行型モンスターじゃないから特効じゃなくてよかったじゃないか」

「正拳突きが手に入るまでの繋ぎ技なんぞで、僕の顔に一撃入れること自体が許せないんだよ」

 慎二の奴、数百年間ほど地の底で封印されていた魔王みたいな怒りっぷりだ。
 まあシチュエーション的には似たようなもんか。

「くそっ。
 あの凶悪人形、絶対にただじゃ置かないからな。
 大体、赤い服を好んで着る奴には、ろくな奴がいないんだ」

 酷いこじつけで悪態をつく慎二。
 もっとも俺の脳裏にも赤い英霊の姿がよぎって、半分ほど同意しそうになったのはここだけの秘密。

「だから落ち着けって慎二、大人気無いぞ。
 あと、お前、何か用事があってきたんじゃないのか?
 わざわざ土蔵に埋まりに来たわけじゃないだろ?」

「ふん、当たり前だろ。
 他人の家の土蔵で埋まってるってどんだけアクティブな引き篭もりだよ」

 慎二は鼻を鳴らすと、最後に服の裾をざっと払う。

「ま、立ち話もなんだし、さっさと客間に通せよ衛宮。
 さっきの騒がしさから察するに、どうせ他の奴らも来てるんだろ?」

 そう言って、俺を待つまでも無く、母屋へ歩いていったのだった。
 なんだよ、俺の案内要らないじゃん。
 そう思いつつ、慎二の後を追って居間へ向かったのだが……。


α:「マスターのばかーっ!!」と叫びながら、蒼いドールが居間から飛び出していった。
β:「うふふふふふ」「くっくっくっくっ」部屋の中から水銀燈さんと氷室さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。

投票結果


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連載時コメント

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336 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/08(土) 19:07:03
β:「うふふふふふ」「くっくっくっくっ」部屋の中から水銀燈さんと氷室さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。


337 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/08(土) 19:23:08
β:「うふふふふふ」「くっくっくっくっ」部屋の中から水銀燈さんと氷室さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。

修羅場ですねわかります


338 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/08(土) 19:25:12
β:「うふふふふふ」「くっくっくっくっ」部屋の中から水銀燈さんと氷室さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。
銀様と氷室という2大巨頭の前には蒼の子はあきらめざるを得ない


339 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/08(土) 19:31:07
β:「うふふふふふ」「くっくっくっくっ」部屋の中から水銀燈さんと氷室さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。


340 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/08(土) 19:59:15
β:「うふふふふふ」「くっくっくっくっ」部屋の中から水銀燈さんと氷室さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。

赤い服を好んで着る人リスト
真紅
アーチャー
遠坂
アルバ

うーむ、赤い服の人ってローゼンと型月合わせても案外少ないな
しかしワカメの言いたい事はわからんでもないw


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最終更新:2008年12月21日 08:25