27 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/04(月) 00:57:43

衛宮士郎の背後に、誰かが立っていた。

月明かりさえない中で、顔も、シルエットさえもわからない。
だが、そこに誰かが立っている事が振り返ってわかった。
そして、その人間に命を救われた事を知った。

赤い男が放った剣の壁。
衛宮士郎という存在を壁の一部にするかの如き剣の波。
それが全て、その人に叩き落とされていた。


その事がどうしても、あの人を思い起こさせた。

自分の為に命を掛けてくれた。
自分の為に汚れてしまった。
自分の為に殺してしまった、あの人の事を。

さよならは言った。
ありがとうは言った。

だから、彼女である事はありえない。
それでも、もう一度だけ会いたいと思った。
思ってしまった。


だから思わず。
「セイバー?」
言ってはならない事を口にした。


雲間から月が現れ、二人を照らす。
目の前の存在が遂に声を発する。

月光の下で。

A:「はい、私はセイバーのようです」穏やかに、男性が佇んでいた。
B:「いや、私はキャスターのようだが」それ以上は何も言わず、黒い紳士が佇んでいた。
C:「いいえ、私はキャスターみたいだよ?」楽しげに、少女が微笑んだ。
D:「違うな、俺は……まあ、鎌使い、サイサーとでも呼んでくれ」自分の持つ鎌を見ながら、少年が言った。

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最終更新:2006年09月11日 20:25