532 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI 投稿日: 2006/09/13(水) 22:53:07
月の綺麗な夜。
縁日に、二人の高校生が並んで歩いていた。
浴衣が舞い上がりそうなほどの強い風、一瞬の静寂すら無い程の賑やかさ。
ナンパをするにはとてもいい、賑やかな夜だ。
二人は何をするでもなく、ぶらついている。
ふと、二人の片方が口を開く。
「子供の頃、僕はラブひなのようなハーレムに憧れていた」
遠くを見るように呟いたその言葉に何を感じたのか、もう一人の青年が不満そうに
言い返す。
「なんだよ、それ。今の慎二はもうその願いが叶ってるじゃん」
友人の言葉に、間桐慎二はすまなそうに笑い、歩きながら月を仰ぎ見た。
「残念ながら僕がゲットした女の子達は桜以外は全部いわゆるショミンの女子高校生
なんだ。どうやら多種の女の子をゲットするには母性本能をくすぐる才能、すなわち
ダメキャラ成分が必要らしい。もっと早く気付けばよかった」
「そっか、それじゃあ慎二にはもう本当のハーレムの実現は無理なんだな。それじゃあ
慎二の夢は俺が代わりに叶えてやるよ。慎二は正統派のイケメンだからロリやブルマは
無理だけど俺ならいけるだろ。まかせろって、慎二の夢は」
“—俺がちゃんと形にしてやっから”
そう言うよりも前に慎二は笑った。
「衛宮には無理だプー!」
「えー!?」
いつのまにか慎二の歩く後ろには慎二ガールズの大行列ができていた。
そんな夢を見た。
534 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI 投稿日: 2006/09/13(水) 22:54:09
目を覚ますとなんか左腕全体が痛い。
特に左手の甲が痛い。痛い、痛い、痛い、いたい、イターイ、ごっつ痛い。
おかげで目覚めはすごくいいのですが全然嬉しくありません。
どうなってるのかと手を見ると甲全体にまで内出血していてインディアンの刺青の様な
模様のアザになっていた。
「なんじゃこりゃあ」
ヤバイ、こんなのが他人に見られたら絶対に色んな意味で痛い奴と思われる。
ふと時計を見る。もうすぐ朝食を作る時間だ。早くしないと冬木の虎が目を覚ます。
しかし、左手が痛くてナベを持つこともできない。
おまけに食事はいつも同じテーブルで顔を合わせて行っているため絶対にアザを見られる。
「ごめん藤ねえ。ドラゴンエムブレムが発動したから今日のご飯は昨日の残りなんだ」
もし左手のアザを見せて正直にこう言おうものなら俺のあだ名は卒業まで勇者ダイか
後藤くん2号になってしまう。
そして、残念ながら俺は後藤くんじゃないのでそんなあだ名にはとても耐えられない
だろう。
しかたがない。俺はテーブルの上に書置きとカップメンを置き藤ねえが起きるより先に
家を出た。
【選択肢】
選:これは絶対に呪いだ。朝一で一成に見てもらおう。さっさと学校へゴー。
択:いや、呪いなら坊さんより神父だ。この町のでっかい教会目指してゴー。
肢:別に呪いとかじゃあないだろう。それより痛みが我慢できない。病院へゴー。
普:そうだ、こんな時こそ魔法少女カレイドルビーに助けを求めよう。公園へゴー。
通:なぜか急に土倉に入りたくなった。呪いか?でも逆らえない。Uターンしてゴー。
最終更新:2006年09月14日 11:15