73 :とある魔術師と超電子箱 ◆yfIvtTVRmA:2009/11/21(土) 23:57:18 ID:DXPiIiEA0

右手にコーラ膝の上にポップコーン、心にゆとりを、携帯の電源は切り過度のおしゃべりは御法度。
まもなく開演となります。開演までの間、スクリーンに表示される注意事項をお読みになり座ってお待ちください。

[注意!]
タイトルを見ての通りこの話は型月と有名な作品のクロスオーバーとなります。
いくらか話が進んだ所でクロス先の作品名を明らかにしますが、タイトルを見た時点、
あるいはプロローグの時点で分かる人も多々いると思います。その辺はまあ、
わかっちゃった人も発表までニヤニヤしながらお待ちください。では開演です。

(ブザーが鳴り照明が落ちる)



プロローグ「F文書」

その日遠坂凛は彼女の祖国から遠く離れた地倫敦(ロンドン)にて最悪の誕生日を迎えていた。
父がいなくなってから始めた迎えた誕生日も、母がいなくなってから始めて迎えた誕生日も
今年ほど不快では無かったと記憶している。

(まったく、何だってこんな日に私がこんな場所にこんな状況で)

そう、こんな日、今日2月4日は彼女の19歳の誕生日。
そう、こんな場所、ここは講義が終わり彼女以外の学生達が全て去った後の教室。
そう、こんな状況、今この空間には凛と講師の二人のみ、教壇を間に挟み二人は1メートルの距離で
じっとにらみ合っていた。

凛は納得がいかなかった。今日の講義では簡単なアンケートが一枚でただけ、
空白の部分を埋めて提出、講師が全員分を受け取った後ぱらぱらと目を通し、
「ミス・トオサカ以外は合格、この教室で補習を行うので他の人はすぐに出て行くように」である。
最悪の誕生日というのを訂正せねばなるまい。別に誕生日でなくても凛にとって今日は最悪の気分だった。

これまで遠坂凛という人物は学業において不可・赤点といったものとは無縁だった。
それは今いる時計塔、一般のそれとは違い『魔術を学ぶ為の場』においてもである。
そんな優秀な、優秀だった自分だけが補習として教室に残されたという事実。
凛にとって初めての経験であり、しかもその理由すらまだ説明されていない。

「ロード・エルメロイ、この補習の意味を説明してもらえないかしら?」

苛立ちを隠そうともしない声色と表情で人生初の補習を突き付けた張本人へと声をかける。

「私は何がいけなかったのでしょう?私はどうすればよいのでしょう?
そして私はどうすれば補習という辱めから解放され、寮に帰る事ができるのでしょう?
さっさと答えてくれませんか、ねえロード?」

凛は腹立たしかった。理由も分からない事で自分のみに失格を告げた講師も、
去り際にこちらを見てバカにするような笑みを浮かべて行ったクラスメートも。

(この補習が終わったらあのドリルヘアー引っこ抜いちゃる。でもその前にまずはこのロンゲね)

そんな凛の心を読んでか、エルメロイ講師は穏やかに、だが真剣な眼差しで凛へと語り出す。

「君がそういうのならば答えよう、ミス・トオサカ。君には補習を受けなければならない理由、
他の生徒よりも大きく劣る欠点が存在する。それは今すぐにでも改善せねばならない致命的なものだ」
「それは何でしょう、もったいぶらずにおっしゃってもらえないでしょうか」
「慌てるなミス・トオサカ。この問題は順を追って説明しなければならない。君に納得して補習を受けてもらう為にも」

そこで一旦言葉を切り、ロード・エルメロイはコホンと小さく咳払いしてから凛に質問した。

「あー、君はケイネスという人物は知っているかね?」

[選択肢]
 イ.聞いた事がある、そうあれは10年ほど前の言峰の言葉だ。
ロ.読んだ事がある、そう自分達の使っているテキストに名が載っている。
ハ.ケイ…ネス?どこかで聞いたきもするが、そう咄嗟に思い出せなかった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年12月01日 18:58