567 名前: 白と赤 ◆ANW.KzCbpw 投稿日: 2006/09/14(木) 14:36:10
2 いつか会えるだろうから、今日はもう寝て、公園にでも行こう。
いくら、このバーサーカーが弱くても、令呪の一つでも使えば相手のサーヴァントの足止め位にはなる。
その間に自分の手で切嗣の息子を殺す。
だが、急がなくてもいいのではないか?
時間が経てば、むこうから殺しにくるだろうし、気が向いたら自分から殺しに行く。
それでいいではないか。楽しみは最後にとっておくのがいい。
そう考えると、今日切嗣の息子に会おうと考えたが、急ぐのは別にいいと考え直す。
彼も私も聖杯戦争の参加者であり、殺しあう仲なのである。
いつか、ばったり会うかもしれない。そう考えると毎日が楽しくなるだろう。
時刻は二十四時をすぎている。
町にでるのもいいが、なんとなくそんな気分ではない。
明日に備えてもう寝るとしよう。
とん、と椅子から降り、バーサーカーのいる部屋を後にする。
彼の目が私におやすみ、と言ってるようで高揚する気分の為か小さく「おやすみなさい」と返した。
キッ、と車を止め、駐車場をでる。
少女が車を運転していたためか、視線が集まるがそれも一瞬で霧散する。
自身の魔術がキチンと発動していることを確かめ、彼女は商店街の眺めながら最近よくくる公園に入る。
時刻は十時、公園にいる人はまばら。
彼女のような容姿を持つ人間が公園に入ったことに誰も気づかないのは彼女の力のせいか。
公園に来て何をするわけでもなく、ただぼぅ、と空を眺める。
メイド二人には何もいわず城を抜け出、狂戦士には追いかけてくるなといいつけてある。
尤も、あの従者は時間が経てば、私のいいつけなど無かったかのように自分を探しにくるだろうが。
二ヶ月あまりの付き合いから、その行動は容易に想像できた。
自分を探す赤い従者を想像したのか、くすっと笑う。
視線を空から動かすと、決して綺麗とはいえないベンチが目につく、セラに怒られるなと思いながらもそれに座る。
ベンチに座り、再び視線を空に戻す。
空を見上げて色々なことに考えを巡らす、二人のメイドのこと、役にたたないサーヴァントのこと、自分のこと、そしてまだ見ぬ自分の兄、いや弟のこと。
彼はどんな人なんだろうか。
使い魔を通して、容姿はわかっている。だが肝心の内面をいまだしらない。
優しいのだろうか、紳士な人なのだろうか、切嗣のように私を裏切るのだろうか。
出来れば優しくてどこか抜けている、そんな人がいい、自分は姉なのだから。
少年を思う彼女の顔は、夢見る少女のそれ。
どこまでも純粋に少女は少年を思う、殺すべき少年を。
ふと、時計をみると時刻は十二時近い。
そろそろバーサーカーが動きかねない。
どこに居てもみつかるのだから、みつかるまで好きにしよう。
そう思い、彼女は立ちあがって公園を後にする。
時間はあまりないがどうしようか。
本当はもっと長かったんですが選択肢をいれる為に切りまくりました。
文才が無いのが恨めしい。
*ちなみにこの時間体、士郎は虎に餌をやりに学校に向かってます。
最終更新:2006年09月14日 21:43