805 名前: 仮面ライダールート (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/14(日) 21:40

――――interlude

瞬間。

少年が立っていた地点に、爆発が起こった。

「――やった!?」

濛々と立ち上る煙。

侮っては拙い、と宝石の魔力をも上乗せして放った必滅の一撃。


それは遠坂家一週間分の食費と、見合っただけの威力を持っていた。

これならば、如何に衛宮士郎が凄腕の魔術師だったとしても、生きているわけがない。


「……フンッ、たいした事――なかったみたいね」

快心の笑み。
魔力供給の断たれたサーヴァントなど、大した戦力にもならない。

むしろ、上手く行けば――此方と契約することも可能だろう。

そうすれば、この聖杯戦争など勝ったも同然だ。


「――慌て者め」


だというのに。

何故、この金色の弓兵は、楽しそうに笑っているのだろうか。


「……なによ――そんなに楽しそうにして……アンタ、衛宮君と仲悪かったの?」

嫌な予感がする。

そう、例えて言うのなら。

――いや、とアーチャーは首を横にふる。

家中の時計の時間をずらしていた事を忘れていた為に、儀式の時間を間違え。

「じゃあ……何でよ?」

溜めに溜めこんだ魔力を全て無駄にしてしまった時のような。


「今にわかる」


次の瞬間。

その地で再び爆発が起こった。


――――interludeb out


809 名前: 仮面ライダールート (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/14(日) 21:54

「――――投影開始」

迫り来るガンドの群。
それを頭の中からはじき出し。
魔力を通す。


――元より、衛宮士郎にできる事はただ一つのみ。


身体の内に埋めこまれた”石”へと。


――あの日、俺は衛宮切嗣によって助けられた。

ソレの記憶へと意識を繋ぎ合わせ、

創造の理念を鑑定し、

基本となる骨子を想定し、

構成された材質を複製し、

製作に及ぶ技術を模倣し、

成長に至る経験に共感し、

蓄積された年月を再現する。


――その時、俺の命を救ってくれたモノ。


瞬時の内に、衛宮士郎の腹部――そこに、赤く輝く秘石が浮かび上がる。


――衛宮士郎は、それの派生物である魔術しか扱えない。



石を中心として、黄金色の金属の輪が生まれていく。

それは、例えるならば、ベルトのような形をしていた。

左拳を、ベルトの左脇へ。
右手は手刀の形をとり、左斜め上へと掲げる。


《―――R―――》
「同調開始……!」


毎晩、土蔵で繰り返していた鍛錬。

――肉体に魔力を通し。


《―――I―――》
「基本骨子、解明」


今までの全てを思い返し、集中し、再現する。

――全身の骨を。


《―――D―――》
「構成材質、解明」


右手を、ゆっくり大きく、円を描くように動かし、

――全身の肉を。


《―――E―――》
「基本骨子、変更」


ピタリ、と右斜め上で止める。

――剣と。

《―――R―――》
「構成材質、補強」

そして、思いきり左腕を右斜め上へと突き出し。

――刃金へと。


右拳を、ベルトの脇で止めて、叫ぶ。

――置き返る。


《――――――変身――!!》
「――――全工程、完了!!」




瞬間、衛宮士郎の周囲で爆発が起こった。

遠坂のガンドによるモノでは、ない。

あんな弱い魔力など、とっくに弾いている。

これは――――その”秘石”の魔力の余波だ。



「――――なあ、遠坂……大切なコトを言い忘れてたよ」


そう、コレが、衛宮切嗣が目指し、衛宮士郎が後を継ぎ、ずっと憧れていた存在。

「最初に言っておくと、さ。

            俺は、仮面ライダーなんだ」


ホントに本気で、仰々しく言い放った俺の姿は。


1.緑の外骨甲と赤い瞳の飛蝗のような姿をしていた。

2.赤い瞳に赤い鎧の钁型のような姿をしていた。


Fate/Stay night

Masked Rider


投票結果

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年09月24日 15:06