27 名前: (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/17(水) 23:34
「あそこにいるのは―――美綴じゃないか」
茶色のショートカットに、見なれた学園の制服。
――――いや、それ自体は別に良い。日曜の夕方に街を歩くという行動自体も不自然じゃない。
弓道部の――それも主将だ。部活動でもあったのだろう。
問題なのは、その表情。
美綴綾子が、少なくとも俺が部活動を続けている間に一度も見たことの無い顔をしている。
――と、そうこう考えている間に、彼女は路地裏に入っていった。
「――――――」
「――どうした、雑種。知り合いか?」
ギルガメッシュの言葉にも、ああと生返事。
美綴の家は、あっちの方向じゃないはずだ。
「……………」
「だからどうした、と聞いているのだが?」
――――ドクン――ドクン――ドクン――――
耳鳴りがする。
酷く、嫌な予感がする。
「おい、雑種?」
――――ドクン――ドクン――ドクン――――
……秘石が熱い。
酷く、嫌な予感がする。
「……人の話を聞いているのか?」
――――ドクン――ドクン――ドクン――――
あの路地の奥には。
酷く、嫌な予感がする。
「雑種…!」
――――ドクン――ドクン――ドクン――――
濃密な。
酷く、嫌な予感がする。
「……ッ!!」
――――ドクン――ドクン――ドクン――――
濃密な、『死』の香りが――。
美綴綾子の――。
不安げな顔なんて、衛宮士郎は、見たことがない。
俺は――――。
1.美綴を追う。
2.追わない。
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最終更新:2006年09月24日 15:16