57 名前: 仮面ライダールート#interlude4 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/18(木) 22:38
――――interlude
「――――終わったぞ」
闇の中から声が聞こえる。
そうか、と頷く黒衣の男に近づいてくるのは、暗い黒の鎧を身につけた影だ。
頭にも同色の兜――否、仮面と呼ぶべきだろう代物を被っているため、その表情はわからない。
「アインツベルンの聖杯は確保した。思いのほか抵抗されたのでな、核だけになってしまったが……まあ、充分だろう。
一つ不満を言えば、相手がランサーで物足りなかったことくらいだ」
「そうか。
……すまないな。私のサーヴァントがアレでなければ、ソイツにやらせていたのだが。
再びお前を駆り出さなければならなくなった」
男はピクリとも表情を変えずに答える。
ふん、と影が鼻をなら下。
「それで、そのデカブツは何処へ行ったんだ?」
「ふん、遠坂の小娘が柳洞寺へ仕掛けると聞いたので、それに備えて霊体にさせて休ませている。
魔術師にしてはどうにも甘すぎる。衛宮士郎と対決するのは、極力後回しにしたいらしい」
「――――――」
「おっと……ヤツの名前は禁句だったか」
クツリ、と声を立てて――初めて男が表情を変えた。
「しかし……漁夫の利か、えげつないな。仮にも――」
「ああ、私は彼女の兄弟子だからな。これも教育の一環というわけだ。
最も――――コレを終えて、生きていれば、の話だが」
そう言って。
言峰綺令は、声を立てて笑って見せた。
喜びでも、感動でも、無い。
それは、嘲笑であった。
――――interludeb out
58 名前: 仮面ライダールート#2-6 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/19(金) 00:09
―――――路地を駆けて行く美綴の脚は、速い。
それに追い縋る程度の速度は衛宮士郎にだって出せる。
だが、
「―――――――」
その必死な表情を見て。
その不安げな顔を見て。
衛宮士郎には、声をかえることができなかった。
「――おい、雑種」
「っ………なん――だよっ?」
そう、それだけでも悔しくて、哀しいことだというのに。
「――――サーヴァントの気配がする」
世界は、さらに状況を悪化させてくれた。
――指定された場所は、古びた……否、すでに朽ちてしまったビルの入り口。
少しばかり軽率だったかもしれないと後悔するが、もう遅い。
衛宮士郎に頼めば、一緒に来てくれたかも――いや、来てくれたに違いないだろう。
だが……。
「それで?こんな写真を送り付けて、何の用?」
肩から掛けたカバンから、下駄箱を開けたら入っていた大き目の封筒を取りだし、目の前の人物へと投げつける。
ばさりと、その人物の足元に落ちたソレは封が解け――中から、彼女自身の写真が毀れ出てきた。
――――それらは全て、肌色のモノのみだった。
だが、身に覚えのあるモノは一切無い。
というか、そもそも――彼女自身、その手の行為は一切したことが無いのだから。
「ふぅん、やっぱり来たのか。いくら男勝りな美綴でも、男に抱かれてる写真とかはばら撒かれたくないんだ」
楽しげな笑い声を上げるのは間桐慎二。
友人――否、友人の友人――だと、つい数時間前まで思っていた男。
「――こんなモノ、どうやって……ッ」
「ん?簡単簡単、合成だよ。俗に言うアイコラとか、その類。だからネガやら何やらなんて存在しないし。
シンプルに『ばら撒かれたくなかったら言う事を聞け』っていう要求で済むのが良いよな」
「ッ……!」
知らず、1歩脚が下がった。
「で、何の用か、って言ってたよな。
そんなの簡単だろ、考えてわからなかったのか?
あ、それともわかったから来たとか!」
クククッと楽しそうに笑う信二。
―――それが、酷く恐ろしく見えて。
「うん、簡単だ。
美綴――」
1.ここで死ね
2.僕の奴隷になれ
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最終更新:2006年09月24日 15:18