227 名前: 仮面ライダールート#3-5 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/22(月) 20:43
月が綺麗だから、と誘われて。
――――俺は美綴に言われるままに土蔵の外に出た。
「今日って、満月だったんだな」
空に広がるのは一面の星と、満月。
柄じゃないが、「こんやはこんなにもつきがきれい――だ――」とか言ってみたくなった。
扉の脇、土蔵の壁に寄りかかって空を見ていると、その隣に美綴が腰を下ろす。
――――そして、なに難しい顔をして暫く此方を見上げた後、
「……なあ衛宮、お前――嬉しくないのか?」
なんて唐突に聞いてきた。
「へ?」
「うん、あたしから見て、お前は笑っているように見えた。
あたしが来たときも、食事の時も、学校にいても。
全部――嬉しそうに笑ってた」
「…………ああ」
それは――本当だったから、俺は頷いた。
「でも、さ。思うんだけど……それって、凄く変だと思う。
全部同じって事は、どんな時でも嬉しさに差が無いって事だろ?
『ああ、こいつは凄く嬉しいことも、凄く楽しいこともないのかな』って
見てて辛くなってくる」
「む…………」
――――そんな事は無いと思うんだが。
「違うって言いたいんだろ」
ニヤリ。
お見通し、と言わんばかりに美綴は笑った。
「だけどな、今お前の夢を応援するって言ってくれるヤツができたんだぞ。
喜ぶべきことじゃないか!
そりゃ………あたしなんかじゃ、応援されても嬉しくないんだろうけど……」
「そんなこと無い。俺は、凄く嬉しかったぞ」
「う……ん。そ、そうか……」
今度は、急に赤くなって俯いた。
照れたり笑ったり、今日はなんだか様子が変な気もする。
「ともかく、それなら笑えってこと。
藤村先生も、桜も、あたしも、衛宮のこと心配してるんだから」
―――――――少しだけ考えて顎を揉む。
そんな自覚は無かったんだけど、美綴が言うのなら――そうなんだろう。
「――――わかった、うん。ありがとう」
そう言って美綴を見ようとして――――
「――――――」
1.美綴の身体に鎖が巻き付いていた
2.俺の身体が釘に貫かれた
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最終更新:2006年09月24日 15:26