253 名前: 仮面ライダールート#4-1 (M8z3Z2VY) 投稿日: 2004/11/22(月) 22:37
「お前は、俺の後ろに乗れ」
「ふむ?我が動かさなくても良いのか?これでも馬の扱いには慣れているのだが」
―――というかそもそも、馬とバイクは違うぞ、ギルガメッシュ。
「ぬおぉぉぉっ!!!」
ロケットスタートで飛び出したHAYABUSAは、一気に道路へと踊り出た。
――日付も変わり、もう街に車はまばらだ。何も気にする必要は無い。
タイヤはシッカリと路面に食い込み、頼り甲斐のある感触を乗り手である俺に齎してくれる。
そのまま、軽く制限速度を無視して、走り出す。
――――天馬を追って向かうのは、新都から伸びる建設途中の高速道路――!
夜になると道幅は広く感じる、と聞く。
ヘッドライトに照らされた路面を一気に走り抜けていく。
――ヒュンッ――
俺達のすぐ脇を釘剣が通りぬけ、路面に穴を穿つ。
「ッ――!!」
狙撃!?
空を仰ぎ見れば、一瞬だけ――馬に跨った慎二と目があった。
そして、上空から迫るニ射目ッ。
こなくそぉっ!!
ブレ―キング。
強力なGで身体が前に引っ張られるが、それを押さえこみ右に体重をかけ――――。
「ギルガメッシュ!掴まってろ!!」
今だ!
ライダーが釘を投擲した瞬間、ブレーキを開放する。
そのまま車体が右に倒れこんだ。
世界全てがぐらりと傾斜する。
「うおおおぉっ!!??」
斜め45度の路面が、ぐんぐんぐと迫って来る。
そう、これだよこれ!
俺はハングオンの感覚を満喫しながら、ゆっくりとスロットルを開けていく。
「イーヤッホゥッ!!」
そして、一気に開放。
再び体に掛かるGに任せ、フルスロットルの咆哮を高らかに車体を起こす。
その遥か後方に、ガキン、と釘が撃ち込まれた。
「な、なあ……もう少し遅く――」
抑えた声だが、ギルガメッシュは確実に怖がっている。
いやまったく、美綴を助けなければならないのはわかるが、後ろを見れないのが悔しい。
コーナーを抜け――不幸なことに――このチェイスに巻きこまれた乗用車を追い越し、すれ違い―――何時しか、高速道路の、中途半端な終着点へと辿りついていた。
「―――ギルガメッシュ、あの位地まで撃てるか?」
「ふむ―――まあ、ギリギリ、と言った所か……」
「じゃあ、少しの間援護射撃を頼む」
フルスロットルで一気に駆け出す。
その背後で、ギルガメッシュは王の財宝を展開。
白い魔物目掛けて乱射する。
撃って。
撃って。
撃って。
撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃ちまくる。
釘を投擲する暇も与えずに、外れても気にせずに、とにかく撃ちまくる。
――――溜まらず、天馬が上空へと逃げた。
「おおおォッ!!」
体重を後輪へと掛け、前輪を持ち上げていく。
―――目の前には、工事用に停車されているのだろう小型トラック。
――行けるか、行けないか。
行けなかったら死ぬだけだ。
もし行けたのなら―――。
―――――――ダンッ!!!―――――
HAYABUSAが、軽トラックを踏み台にして、跳んだ。
「ははッ!衛宮、残念だったな!」
―――まだだ。まだ――ライダーには届かない。
だが、慎二の声は聞こえる程度には近付いた、もう少しだ。
間桐慎二は気がついていない。
このバイクの着地点が。
クレーン車のアームの上だと言う事に。
――――ダンッ―――
着地。
幅50cmあるかないか、そんな金属の腕を、時速300キロで駆け上る……!!
そして。
今度こそ本当に、HAYABUSAは空を飛んだ。
鋼の馬が、神話の魔物を遥かに越えて、天を飛ぶ。
――――――そう、これこそが千載一遇のチャンス。
「ギルガメーッシュッ!!!!」
そして―――。
1.ギルガメッシュが放った宝具が天馬を貫いた
2.ギルガメッシュが天馬へと飛び移った
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最終更新:2006年09月24日 15:28