303 名前: 仮面ライダールート#4-3 (M8z3Z2VY) 投稿日: 2004/11/23(火) 01:48
―――――ドクン―――ドクン―――ドクン―――――
ここで、間桐慎二相手に、衛宮士郎が生き残る術は存在しない。
―――――ドクン―――ドクン―――ドクン―――――
だが、衛宮士郎でなければ、どうだろうか。
―――――ドクン―――ドクン―――ドクン―――――
美綴綾子も、ギルガメッシュも、衛宮士郎も、そして間桐慎二でさえ救える存在ならば。
―――――ドクン―――ドクン―――ドクン―――――
慎二は、決定的な間違いを犯している。
ここに存在する衛宮士郎と呼ばれる魔術使いは。
衛宮士郎であって、衛宮士郎で無いと言う事に、気がついていない。
息を吸って、吐く。
ならば、その一点のみが勝機。
「――――投影開始」
腹部の『秘石』へと意識を同調させ、
創造の理念を鑑定し、
基本となる骨子を想定し、
構成された材質を複製し、
製作に及ぶ技術を模倣し、
成長に至る経験に共感し、
蓄積された年月を再現する。
――金色の、ベルト。
衛宮士郎を変換するために、最も重要な要素。
それが無事に生まれた事を確かめると、左手を左腰に、右手を左上へと掲げる。
「なんだよ、いかれちゃったのか衛宮?……玩具みたいなベルトに、そのポーズ!
それで、仮面ライダーのつもりか!!?」
嘲るような声。
――――――それに対し、衛宮士郎は、堂々と宣言してのける。
「ああ、仮面ライダーのつもりだ」
《―――R―――》
「同調開始……!」
《―――I―――》
「基本骨子、解明」
《―――D―――》
「構成材質、解明」
《―――E―――》
「基本骨子、変更」
《―――R―――》
「構成材質、補強」
右手は円を描くように、大きく動かし、右上で止める。
そして、左拳を右上へと突き上げ、右手を腰へと入れ替わりに下げて、叫んだ。
《―――――変身―――!!》
「――――全工程、完了!!」
その瞬間。
―――――ギルガメッシュは、地に倒れながらも勝ち誇った表情で言った。
――――衛宮士郎、と。
――――――美綴綾子は、酷く呆然とした顔でつぶやいた。
―――仮面ライダー、と。
――――――そして。
間桐慎二は、酷く怯えて、こう叫んだ。
――――化け物、と。
さあ、この何処の英雄とも知れぬ鉛色の巨人相手に、生半可な手段では叶わない。
手段は1つ。それは――――。
1.「――ゴウラム!!」――脳裏に浮かんだ名前を、素直に叫んだ。
2.「――超変身…!!」――土蔵で行っていた鍛錬を思い出した。
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最終更新:2006年09月24日 15:31