334 名前: 仮面ライダールート#4-5 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/23(火) 21:03
「――剣を貸してくれ」
「……応」
短いやり取り。
それだけで衛宮士郎の目の前に、名も知らぬ『伝説の剣』が撃ちこまれた。
ソレを手に取る。
――――――構造材質、鑑定。
確かに、これだけでもバーサーカーと遣り合えるだろう。
だが、『戦士』の武具には、これでは足りない。
それを補うため、『伝説』を秘石の『伝説』で塗り変える――!!
――――剣は、剣として、《変身》を研げた。
「ば、バーサーカー! 衛宮を……あの化け物を倒せ…!!」
慎二の命令に従い、狂戦士は、己が主人と――そして美綴綾子を地面に下ろした。
真っ向勝負。
敵は最強の狂戦士に人質が1人。
此方は身動きが取れないサーヴァントが1人に、仮面ライダーが独り。
これで互角。
巨体が飛ぶ。
バーサーカーと呼ばれた巨人が、急速に落下してくる――――!
それを迎撃するは、紫電の戦士……!!
――――バーサーカーから振り下ろされる斧剣と、
それ目掛けて駆けぬけた俺の剣が激突する。
――――――さすが『剣』。
伝説の剣とやらを、さらに『伝説』で強化しただけのことはある。
斧剣を真っ向から受けとめて、ヒビ一つ入らない。
そこへ、
旋風じみた、バーサーカーの大剣が一閃する……!!
轟音。
鋼と刃金がぶつかり合い、互いに拮抗し、
俺は一息で数メートル後方に跳び下がった。
――――さすがに質量が違いすぎる。
そこに鉛色が追撃をし掛けて来る。
――それこそ、まさに狂戦士の姿、と言えるだろうか。
叩きつけられる剣は、剣と呼ぶにはあまりにも大きすぎた。
大きく、分厚く、重く、そして大雑把過ぎた。
それは正に、石塊だった。
避けるという選択肢は最初から捨てた。
――――斧剣を、刃金で受けとめる…!
止めなければ死、あるのみ。
ならば、この即死の嵐を受けて受けて受けて受けて受けて受けて受けて受けて受け切って、。
この狂戦士に隙を作り出して見せよう。
繰り出される剣戟は、ただ叩きつけるだけの、何の工夫もない駄剣だ。
だが――なるほど、それで充分なのだろう。
圧倒的なまでの力と速度があるのなら、技の介入はありえない。
技術とは即ち、欠点を補う為の抜け道だ。
そんな弱点、狂戦士には有り得ない。
――受ける。
―――――受ける。
――――――――受ける。
―――――――――――受けつづける。
「…う、…ッ!!」
―――――そして、鉛色の巨人は圧倒的な一撃を繰りだし。
――――衛宮士郎は、大きく弧を描いて、大地に叩きつけられた。
「―――衛宮……!!」
だが負けない。
敗北は有り得ないし、何より衛宮士郎がソレを許さない。
美綴綾子を助け出すまで、衛宮士郎は負ける事を良しとはせず、
仮面ライダーが敗北することは有り得ない。
仮面の下、唇の端を吊り上げる。
バーサーカーは此方の都合などお構い無しだ。
斧剣を此方へ向けて振りかぶり――――
「■■■■■―――――!!」
その背中に、無数の宝具が突き刺さった。
「――――王の財宝―――!」
槍、剣、斧、杖、矢、刀。
この世全ての宝具といえど、あの巨体ではソレ程の衝撃はないのかもしれない。
「――ふん。魔力が尽きかけていなければ、もう少し良いモノを取り出せるのだが……」
バーサーカーは、一瞬躊躇った後、こちらへと突進してくる。
だが、それで充分。
衛宮士郎が、仮面ライダーが。
あの巨体を圧倒するのには、それで充分。
俺は―――――
1.『ゴウラム』と叫んだ。
2.『超変身』と叫んだ。
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最終更新:2006年09月24日 15:33