342 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/08/23(水) 03:13:14
衛宮邸でルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトが虎相手に暴れていた。
遠坂凛としてはそれだけで正気を喪失しそうな光景ではあるのだが、極めつけにドリルである。
縦ロールの優雅な髪が回転していた、そりゃもう見間違えようもなく左右とも。
虎が逃げ回ったのか茶の間の畳は穴だらけになっていた。
よく見れば髪留めのリボンに添えつけられた宝石が光っていた。
恐らくその魔力を利用して髪の毛を強化、変形、回転させているのだろう。
……なんて無駄遣い。
そんな事を考えている内に今度はテーブルを髪ドリルが貫通した。
「呆れた……何やってるのエーデルフェルト」
「え? 遠坂さんのロンドンでのお知り合い? ライダーさんが連れてきたんだけど……」
ドリルの回転が止まった。
「あら、ミストオサカ、帰ったのね」
縁側で気絶していた士郎と桜、そして二人の突然の喧嘩をどうして良いか分からずオロオロしていたライダーを宥めて茶の間の後かたづ
けをした。
「で、どうしたの貴女、この休暇はフィンランドに帰るんじゃなかったの?」
「ええ、勿論そのつもりでしたよ? 貴女と違ってファーストクラスで」
ふぁさっと髪を整えながら答えた。
「でも部門長たっての願いという事ですから、ベルンで荷物を預かってきたんですの」
「彼女、貴女の家の前で三日くらい待っていたそうですよ、涙目でしたし」
お茶を一口啜りながらライダーが言った。
再びドリルが回転した。
ルヴィアがスゴイ目をしていた。
そりゃもう視線だけで人が殺せる程に。
「あら、義理堅いのね、寂しかったのかしら?」
「い……いーえ、違いますわ、一度受けた事は必ずやり遂げるのは貴人の礼儀ですわ」
縦ロールをくるくると弄んでいた。
「へー、フィンランドの貴族さんなの? えーっと、ルヴィアゼリッタさん?」
「ルヴィアで結構ですわ、ミス藤村、教鞭を取られている方ならば目上の方ですもの」
「それで、どうして暴れたの? その奇人さんが」
思い切り嫌みに言ってやった。
「ふ、ふん! どうでも良い事ですわ! 無礼な方に灸を据えてあげただけですもの」
「この子ね、遠坂さんが逮捕されたと聞いて暴れたのよ、友達想いの良い子じゃない」
そう言いつつ先程のドリルが気になるのか髪の毛の先端ばかりを気にしていた。
「ふん、仮にも淑女たる私の知り合いが淑女でなかったなどというのは不名誉な事態ですもの」
「そんなに熱かったかな? 日本茶……顔赤くなってる」
ますます赤くなった。
「と、とにかく、荷物は渡しましたからねっ!」
ずびしと言い切った。
「これからどうするんですか? ルヴィアさん」
「そうですわね……日本に来るなんてまるで考えても居ませんでしたから……」
「良かったらこの家使うか? 部屋なら余っているけど……」
A:「い、いえ、結構ですわー!」走り去った。
B:「じゃあ私もルヴィアちゃんと一緒に泊まるー」虎が走り去るルヴィアを抱き留めた。
C:「で、ではお世話になりますわ」虎が暴走する前に真っ赤になりながら頭を下げた。
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最終更新:2006年10月30日 00:53