376 名前: 仮面ライダールート5-3 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/23(火) 23:08
――――俺は、その横を素通りしていく。
「おい、なんだよ『化け物』!
怖いのか?逃げるのか!?」
――その叫びは、酷く痛くて。
胸を次々と抉るけれど。
未だ衛宮士郎が衛宮士郎ならば。
彼を撲ってはいけない。
「おい、『化け物』!!なんとか言えよ『化け物』!」
「―――――おい、屑」
「それ以上、この『戦士』を罵倒するならば、我が貴様を殺すぞ」
バイクに跨る。
エンジンを掛け、ヘルメットを被る。
その背中に、慎二と何やら話していたギルガメッシュがしがみついた。
「なあ、ギルガメッシュ」
「――――なんだ、雑種」
「間桐慎二を殺すのなら、俺がお前を倒すぞ?」
「……そこまでして、護る価値もないだろうに」
「―――でも、護りたいんだ。
だから、護る」
―――――HAYABUSAが走り出した。
目指すは、教会――――!
380 名前: 仮面ライダールート5-4 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/23(火) 23:18
―――――夕暮れは、灰色だった。
目覚めたのが、4時近く。冬は日が落ちるのが遅い。
――――日差しは雲に阻まれ、頭上は一面の曇天。
黒と言うより灰色に近い空は、10年前のあの時間を思い起こさせた。
―――じき、雨が降るのだろう。
濁った乳色の空。
曇っていながら雨上がりの匂いを孕んだ空の下に、その『死』は君臨していた。
「―――――ギルガメッシュ」
「ああ」
―――――バーサーカー。
言峰のサーヴァント。
その巨人は何も言わず、ただ――――ここを通るモノは必ず殺す、と俺達を睨みつけていた。
「―――行くぞ」
「――手はあるのか?」
そんな質問。
――それに、
「無い。でも行かなくちゃいけない」
「……無理、無茶、無謀。
まったく、不死の探索の時の我でさえ、そこまで愚かではなかったぞ」
そう言って、ギルガメッシュが1歩前に出た。
「――行け、エミヤシロウ。
我が、あの狂戦士を止めている間に」
「―――――――――――」
言葉が出ない。
だが、それは恐らく最良の手段。
衛宮士郎は、ここで無駄な力を使用するわけにはいかず。
ギルガメッシュは、連戦するほどの力は戻っていない。
「…………わかった」
俺は頷く。
「ああ、そうだ。
行く前に一つだけ覚えておいてくれ、エミヤシロウ」
ズズッ。
背後の虚空より、己が財宝を展開しながら、ギルガメッシュは言った。
「我がな。
心の底から共に闘って良いと思ったのは、貴様以外に独りしかいない。
光栄に思え」
そして、その声を背中に、俺は―――
1.HAYABUSAで、教会入り口へと突っ込んだ
2.教会の中へと駆けこんだ
投票結果
最終更新:2006年09月24日 15:38