359 名前: 言峰士郎-9 (eYkk4Fu6) [age] 投稿日: 2005/03/06(日) 23:01:36

 俺は一歩下がって扉を開ける、事もせず。
 さっさと教卓側に回って扉を開け、教室に入った。
「よう」
 扉付近に集まってる学園三人娘に片手を上げて挨拶をする。
 と――。
「こ、言峰士郎ッ!何故に貴様は其方から入って来るのだ!!」
 反対側の扉で待ち伏せてやがった現在進行形で生徒会長やってる馬鹿が吼えてきた。
「HAHAHA!かかったなブッダ(坊主)!」
 ので。
 柳洞を見下ろしつつ、腕を組んで嘲笑ってやる。結構気持ち良い。親父の趣向が移ったか。帰ったらウガイ薬で喉を洗おう。ありゃ空気感染するんだ、絶対。
 機敏な動きで柳洞が立ちあがる。
「ひ、卑怯だぞプリースト(神父)!」
「勝ちゃあ良いんだよ、勝ちゃあ!」
「ええい、この似非正義に被れた一神教信者め!そんなだから貴様らは戦争の建前に使われるのだ!」
「はッ!そんな綺麗事ばかり言っているから、貴様らは戦争の建前にすら使われんのだ!」
「吼えたな、言峰士郎!!」
「吼えたともよ、柳洞一成!!」
 両者数メートル離れて臨戦体勢。
 そう、ここは教室ではない。
 互いの神の正当性(考えるまでもなく我らがキリスト様のが正しいが)を拳でもって争う、宗教戦争の場なのだ!
 神を欲するならば、汝。自らの鉄拳を以って、改宗させよ。

「おい。まぁたそんな馬鹿げたことをやってるのかい?宗教なんて古臭いモノなんか信じてないでさ」
「「似非バルバロイ(妖術師)は黙ってろ」」
「似非って言うなあッ!!」

 故に、教義も何もない一般人は引っ込んでろというのに絡んで来るから馬鹿にされた間桐慎二が椅子を振り上げて乱入して来る。
 中国拳法の俺。
 古流拳法の柳洞。
 似非喧嘩殺法の間桐。
 この三馬鹿トリオによって、第二百えーっと七十三次宗教戦争はここに勃発した。


「馬鹿だ」
「馬鹿だね」
「鐘ちゃんも蒔ちゃんも、人のこと悪く言うのは止めなよー」
 三人娘が何時ものこと、とばかりにのほほんと感染している、その横で。
「――妖術師は否定しないのか……」
 などと呟いて、遠坂凛は溜息を吐いていた。


363 名前: 言峰士郎-10 (eYkk4Fu6) [age] 投稿日: 2005/03/06(日) 23:20:31
 さて、言峰士郎の毎朝の日課は済んだわけで。
 とりあえず授業という名前の昼寝の時間は惰眠に費やすことにする。
 きっと聖書のどっかに『それが俺のジャスティス』とイエス様が書いているに違いないから、この想いはきっと間違いなんかじゃないのだ。
 というわけでAmen。

 ――昼休みを告げるチャイムが鳴った。

「ふわあああああっ」
 大あくびをぶっこいて立ちあがって礼。この辺は小学生の頃から毎日やらされてると自動動作の域にまで達している。
 だからきっと寝てる糞親父の枕元で『善人になれ』とか毎晩言いつづけてたら、五年後には良い神父になっているに違いない。キモイし面倒だからやらないが。
「言峰くん、ちょっと良いかしら?」
「あー、腹減ったなぁ……今日の弁当担当はどっちだっけか」
「言峰くん?」
「糞親父の作った弁当は辛いだけだし。金ぴかは料理下手だし。ってことはアレか、今日の弁当は辛いか不味いかの二者択一かよ。
 ジーザス。神は死んだ」
「――言峰くん?」
「だいたい、なんだって俺が作った弁当が一番美味いんだ、餓鬼の頃からよ?」
「……言峰くん……?」
「遠足に行った先で、友達から『わぁ、しろうちゃんのお母さん、料理うまいんだねえ!』って手前の作った弁当を誉められる気持ちがわかるか?
 なあ、遠坂凛よぉっ!」
「わかってるんだったら返事くらいしなさい」
 ビシィッと。
 幼馴染の赤いあくまが手刀を振り下ろしつつガンドを叩きこんできやがった。
 しょうがないので、頭を擦りながら話を聞いてやることにする。
「で、何の要件だよ、凛?人様の脳天ぶんなぐってまで話したいんだろ。それなりの話じゃなけりゃ、拳で制裁するぞ」
「あんたが気付かない振りしてるのがいけないんでしょ?
 ちょっとお昼ご飯に付き合って欲しいな、って」
 ふむ、と腕を組んで考え込む。
 どーしたもんかね。コイツ、俺が煙草吸うと五月蝿いんだよなあ……。弁当も作ってこないくせに幼馴染スキル発動しおってからに。
「で、どうするのよ?」

1.「……ま、別に良いか」たまには禁煙禁煙。
2.「あー、悪い。今日は無理だ」俺は煙草が吸いたいんだよォッ!

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最終更新:2006年09月24日 18:27