374 名前: 言峰士郎-11 [sage] 投稿日: 2005/03/07(月) 00:42:02
「あー、悪い。今日はダメだ」
「?別に良いけど――どうして、また」
俺はニヒルに笑って彼女の肩に手を乗せる。
男なら、言わねばならないことがあるのだ。
「遠坂、良く聞いてくれ」
「なによ」
「俺は煙草が吸いたいんだよォッ!!」
「ッ――――――――!!」
そう一声叫んで、駆け出した。
耳元で大声を出されて耳がキーンとなってる凛を無視し、同級生達の間を擦りぬけ、ついでに柳洞にラリアットかましつつ。
「待ちなさい!!煙草なんて却下なんだから!!」
後から殺傷能力あるだろうって威力の消しゴムやら鉛筆やらが飛んで来るが無問題。
巻き添えくらった間桐が吹っ飛んでくが知ったこっちゃ無い。教室を抜け、廊下に出てしまえばこっちのモノだ。
『常に優雅であれ』とかいうのをモットーにしてる彼女では、有象無象の方々を目の前にして、被ってる猫を引っぺがすことは不可能なのだから。
「イィーヤッホゥ!!」
ま、明日の朝は殺されそうな予感というか悪寒がするんだが。
で、屋上。
ぶらぶらとフェンスの前まで歩いていき、学生服の内側から無味乾燥な箱を取りだすと、紙巻きを一本口に咥えて火をつける。周囲に漂う香りは煙草のソレじゃあない。安物のドラッグだ。
「代行者殿」
「うおわぁっ!」
突然横から声をかけられて飛びあがる。口から落しかけたドラッグを慌てて咥えなおして、隣を見れば――黒マント仮面が立っていた。
「――なんだ、アサシンか。驚かすなよな」
「ふむ。ではニコニコ笑いながら向こうの方から走ってこよう。『お兄ちゃん』とでも呼べばよいだろうか?」
「止めてくれ、その方が心臓に悪い」
「では止めよう。と――代行者殿、私も一本貰えないだろうか?」
「構わないけど、なんか性格変わってないか?」
溜息混じりに箱から一本抜いて、アサシンへと放る。マントの裾からチョコンとした手が出てきて、それを受け取った。
「ふむ。サーヴァントは召喚者の性格に、多少なりとも影響されると聞く。
これはきっと代行者殿の性格なのだろう」
顔は見えないが、ニヤリと笑っているらしい彼女に溜息を吐きつつ、手に握った紙巻きにライターで火をつけてやる。
そういえば、未だアサシンの仮面の下は見ていない。まあ、見せたくないから隠しているのだろうけれど。これで女の子なのだから、なおのこと色々想像してしまう。
身体が小さいから、きっと幼女っぽいのだろうけど――イリヤ先輩とは違うタイプなんだろうな、と思う。
横を見れば、やはり大麻とは味が違う、なんて物騒なことを言いつつ彼女はドラッグを――器用に少しだけ仮面をずらしただけで――吸っていた。
ふむ、と腕を組みつつドラッグ吹かして真上の青空を見上げる。
1.悪戯心が沸いた 仮面の下を見てみよう
2.それよりも昼飯だ昼飯
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最終更新:2006年09月24日 22:18