399 名前: 言峰士郎-12 (eYkk4Fu6) 投稿日: 2005/03/08(火) 00:14:16
悪戯心が沸いた 仮面の下を見てみよう
「OK、大佐。了解だ」
「?」
目標との距離は目測で二メートル弱。
反射神経、気配察知能力ならば向こうが上だろうが――今の彼女は油断している。
油断を突くのは戦友としてどうかとは思うが、イエス様も『勝てば良いのだ』と言い残しているに違いないから無問題。
むしろ虚を突かれて驚いて慌てているアサシンを見るのは非常に楽しみだ。
いくら暗殺者のサーヴァントとか言っても、女の子の英霊なんだから可愛いに違いない。それが俺と主のジャスティスなのだ。間違いはない。
周囲をさりげなく見まわす。見事なまでに遮蔽物もなんにも無い。伝統あるダンボールの使用は不可能という事か。ガッデム。
となると、やはり後ろからこっそり近付いて仮面を引っぺがすべきか――。
――隣に立っている時点で不可能なので却下。
ま、とりあえずアレだ。
「――飯でも食うか?」
「うむ」
仲良く並んで腰を下ろす。チョコンと座る動作がラブリー。髑髏仮面だけど。
「――で、弁当なんだが……」
ふむ、とドラッグ吹かしつつ手に持ったアルミ箱を見下ろす。
思考三秒、決断一秒、3時のオヤツは文明堂。
「アサシン、食うか?」
ちょっぴり罪悪感を残しつつ、秘密兵器を彼女に差し出して見る。
「む、かたじけない……が。代行者殿は構わないのだろうか?」
「ああ、俺は一応――色々、用意はしているし」
非常食だけどな。
ごそごそとカバンを漁って、カロリーメイト(フルーツ味)とビーフジャーキーとアルミ缶を取り出す。
缶の中身は生ぬるくなった麦茶だ。泡が出て、ついでにアルコールも入ってる麦茶。
「ふむ――では、折角なので、頂く事にしよう」
「あ、そうだ。アサシンはハシは使えるのか?ダメならスプーンか、ナイフでも……」
「代行者殿。一応サーヴァントという代物は、ある程度の知識を得てから召喚されるのだ。
心配は無用。それに――ハサンとなる前、私の故郷では、基本的に手掴みで食べていた」
あ、なるほど、と素直に手を叩いた。
なんでも、イスラム教徒の、どの宗派だったかでは、確か左手で汚い行為を全てやるのだとか。
食事やら洗濯やら掃除やら皿洗いやら――ちょっとアレだが、大をした後の尻拭いも、だ。
という事はつまり、このアサシン――となった少女も、そう言った地方から攫われたのだろう。
……そっか。彼女は、望んでアサシンに、ハサンになったわけじゃないんだっけか。
ちょっと複雑な心境になる。
「では、失礼して――」
そんな事を考えている俺を余所に、彼女は弁当の蓋を開けた。
…………うへぇ、今日の担当は親父だったか、弁当。普通マーボはいれないだろ、マーボは。
だってのに彼女は気付いてないのかなんなのか、凄く楽しそうな手付きで弁当へと手を伸ばし――。
「―――――」
ぱくり、と。手で掴んで仮面の下から口へ運んだ。
「―――――」
硬直。完全に固まってる。
「――――あ、アサシン?」
「――――ッ!」
びくぅっと何かに驚いたように飛びあがって、必死でぶんぶん小さい手を振り出した。
――なるほど、喋れない程度に辛かったのか。
「アサシン」
「――――――」
「……水、飲むか?」
こくんと小さく頷いたアサシンに、俺は缶ビールを差し出してやりながら。
内心で彼女に謝りつつ、そっと外套と、白い仮面をずらしてやった。
そこに現れたのは――――。
1.諸君、私はポニテが好きだ 銀髪黒目のポニテ娘だった
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最終更新:2006年09月24日 18:30