704 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/10/09(月) 04:23:14


「ええい情けなや!!
 士郎がこれ以上道を間違える前に、冥府に送ってあげるのが姉としての最後の情けよ!
 地獄で切嗣さんに詫びて来なさい!!」

 親父も地獄行き確定かよ。
 いよいよ俺を断罪しようと竹刀を振り上げる藤ねえ……といっても既にさっきから何度も喰らってるけど。
 一つ発言するたびにびしばし飛んで来るんだもん、あの虎竹刀。

「まあまあ裁判長、まずは氷室さん本人が目を覚ますのを待つべきです。
 当事者抜きでこれ以上憶測を交わしてもしょうがないですし」

 ととと遠坂ぁ!!
 ありがとう、俺のこと見捨ててなかったんですね師匠!?
 助かった、本当に……って。
 なぜに牧場の羊を見る狼のような目つきで俺を見るのですか?
 『まだまだお楽しみはこれからよ』って感じの。

「……で、ソレはひとまずおいといて。
 アレはなんなの衛宮君?」

 くい、と顎で『アレ』を指す師匠。
 どうやら俺の横、テレビの置かれている位置付近を指しているらしい。
 お前も見てみろ、と言わんばかりだ。
 ……嫌な汗がだらだら流れてきた。

 遠坂がなにを指しているのか、もう見なくてもわかってる。
 でもこのまま目を逸らしてても強制的に向けられそうだ。
 さすがに首をねじ切られるのはいやなので、仕方なく首をそちらへ向ける。
 するとそこには、

『観念しろハイエナ教頭!
 お前の悪事は全て暴かれたぞ!』

『くっ……さすがはくんくん探偵。
 まさかこれほどとは……だが!』

「危ないわ、くんくんっ!!」

「そこよ、後ろなのー!」

 衛宮家家族会議そっちのけで、テレビに熱中している薔薇乙女《ローゼンメイデン》二人の姿が。
 見ているのは『たんてい犬くんくん』。
 人形劇のくせにゴールデンタイムに2時間スペシャルを敢行する人気番組である。
 人形が人形劇みてエキサイトするのは突っ込むところなんだろうか。
 特に水銀燈などは、普段からは想像できないほど熱心にのめりこんでいる。

「不思議なお人形さんよね?」

 にこり、と満面の笑みでこちらに顔を向ける遠坂。
 でも後ろに背負ってるエフェクトが灼熱の炎なのでインパクト強すぎ。
 遠坂はこっち方面に関しては藤ねえより厳しいのだった……!!

「で、アレはなに?
 こっちの疑問は氷室さんがいなくても答えられるでしょ?」

 こ、このオーラは……返答次第では殺られる……!?


α:実は俺にもよくわかりません、と正直に答える。
β:最新型AIBOってああいう形なんだ、としらを切る。
γ:アレはヤクルト妖精さんだよ! と精神病患者を装う。
δ:丁度そのとき、障子を開けてセイバーが入ってきた。
ε:重い空気を破るように、居間の電話が鳴り響いた。

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最終更新:2006年10月09日 05:39