809 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 10:50:21
ランサーの目にまず写るのは家サイズの隕石。それがゴゴゴゴと摩擦音を立てながら
こちらに落ちてくる。
「こんちわ、俺ランサー。あんたのサーヴァントらよヨロシク!真名はマンチキ。あんたの名前は?」
「なんだ、クーフーリンじゃないのですか。チェンジ」
「そんな~、コーヒー牛乳サービスするから見捨てないでくださいよ~」
足元からは大きな揺れを感じる。辺りを見ると活火山がどーん。ということは自分が
いるのはM8クラスの地震の震源地。そう気付くと同時にバランスを崩しすっころんだ。
「棒高跳び6m、槍投げ70m、1500m走4分台前半。何ですかこれは?」
「何ってダメットさんが俺の能力を知りたいっていうから生前の記録を・・・。俺って強いっすよね?」
「いいえ、これならまだアントニオ猪木がサーヴァントになった方がましなぐらいです。
ランサー、あなたは弱い」
「ナニィ!猪木が英霊になれば俺よりもデカスロンの総合点が高いって事ですかダメットさん!」
尻餅をつき、その場に倒れこむと辺りが濃い影に包まれる。隕石の影か、いや違う。
隕石はそれ自身が赤く燃えており影とはならない。ランサーを包む影の正体は腹だった。
キシャァァと悲鳴を上げながら腹はランサーの頭の上を通り過ぎていく。その後ろ姿を
確認すると間違いなくティラノサウルスだった。
「マンチキ、あなたは二つ勘違いしています。英霊というものは具体的な数字があると
上限が設定されて弱体化したりします。1500mを4分台というよりも、風のように速く
走ったという伝説を持つ方が速かったりするものです。よって身体能力が正確に表され
かつそれが人間レベルであるあなたはこの聖杯戦争ではおそらく平均以下の強さです。
英霊とは人間を超えた存在として伝わっている者が多い。しかし、あなたの強さは
人間の限界近くでしかない。正直いってなんであなたがサーヴァントとして出てきた
のか疑問に思う程おかしいのです」
「ダメットさん、そんで二つ目は?」
「私の名はバゼットです」
810 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI [sage] 投稿日: 2006/10/11(水) 10:51:16
ティラノの後ろ姿を見送るランサー。しかしまだ自分に影が被さっている。その正体を
確かめようと上を見ると―
(パクッ)
ランサーが見たのはプテラノドンが自分の頭に向かって大きく口を開ける姿。そして闇。
その後には羽ばたき音、浮遊感。
「それでマンチキ、デカスロンのデータ以外の能力は無いのですか?」
「あー、後は固有結界」
「すごいのがあるじゃないですか!そういうのを先に教えてください!」
「でも発動に15秒ぐらい掛かるし制限時間は5秒、いや3秒ぐらいらよ」
「・・・さて、二人で鉄球を使ったコンビネーション技でも開発しますか」
「ええ~、めんどくせー。何でそんな事しなきゃいけねーんら?」
「あなたが弱いからです」
「だーかーらー、俺は強いっすよ!」
恐竜二匹とくわえられたサーヴァント一体は隕石から必死に逃げ続ける。
しかし宇宙からの脅威は無慈悲にも大地に落ち、衝撃と強風と灼熱が辺りを襲った。
衝撃により足を止められ、灼熱が肉を溶かし、強風が骨ごと消し飛ばした。
無論それはランサーも例外ではない。プテラノドンの口が破けて落下するとき彼が
全身を焼かれながら最後に見たのは全てを奪い去る赤い色。
(ランサー、あなたは弱い)
(あなたが弱いからです)
「ああ、その通りらよ。ようやく理解した。これが本物の英霊の強さって奴か。でっけー、
そんで計り知れねー。高校の英語と数学の授業の時に「わからないところがわからない」
状態になったけど正にそれらよ。打ち破ろうにも何をすればいいのかすらわかんねえ」
その時だった。
「ランサー、戻れ!」
令呪の強制力が働きランサーはバゼットの傍に引き寄せられた。
目標を見失ったアーチャーの攻撃は一旦収まり、ゾーンの効果も解除される。
【選択肢】
ギバーップギバーップ:しかし、幻術によりランサーの精神は完全に破壊されていた。
だったらいけるぜ!:ランサーの精神はかなり弱まっているがまだ意識は残っていた。
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最終更新:2006年10月11日 17:06