555 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/05(木) 04:31:06

霊園、というよりも教会にて情報を集めよう。

「……?」
何かを感じ取る。
だがそうと意識してしまえば、何も感じ取ることは出来ない。
「気のせい……だろうか」
改めて周囲を観察するが何も無い。
多少後ろ髪を引かれる思いもあったが、結局立ち去る事に決めた。


「おや……?」
教会の近くの工事現場の業者マークは見覚えのある物だった。
聖杯戦争関連の後始末を裏で請け負う業者の物だ。
教会と協会の共同出資で設立された物で、社長や工事責任者は教会や協会からの出向のはずだ。

幸運なことに協会からの出向者であった工事責任者に軽く事情を伺う。
出向とはいえ戦闘能力はない上に、それほど事情を知っているわけではなかった。
ただ、昨日ここで数度の戦闘が行われたらしいということだけだ。
残骸の一部、数種の薬莢や剣の残骸を貰い受ける。
さすがに巨大な剣の類は昼から持ち歩くわけにはいかない故に剥き身の剣は貰い受けられなかったが。


続いてS市教会に向かおうと考えていると、丁度目の前を神父服の少女が歩いていた。
買い物の帰りなのか、小脇に荷物を抱えている。
「失礼、教会の方ですか?」
「ええ、はい、貴方は?」
「申し遅れました、私はバゼット・フラガ・マクレミッツ……元協会の執行者で聖杯戦争の参加者です」
少年の表情が変わる。
明らかな警戒色。
「ああ、大丈夫です、敵対する意志はなく、むしろ事態の解決を目的としています」
少し迷ったようだが、少年は。
「なるほど、分かりました」
警戒色こそ残っていたが、笑顔を見せてくれた。
それこそ、数年前まで戦闘一色であった彼女が「あ、かわいい」と思ってしまうくらいに。
「僕はリー・ブラック、神父の見習いです、どうぞこちらへ」
少女のようだったが、男性であるらしい、バゼットは彼に対する認識を心の中で改めた。


「ブラック……どうした? その、女性? は」
教会前で、男性が花に水を差している。
彼女はどう見ても女性であるのだがある意味完璧といっても良い男装であったためにどちらか分かりかねているようだった。
表情こそ崩していないが声には僅かに戸惑いというか、言葉の乱れが感じられた。
多少癪に障るが、バゼットにとってそういう事は一度ではないから気にはしない。
「ジョンさん、彼女はバゼットさんと言いまして、この事態の解決に協力していただけるようです」
「そうか、ではこちらへ、案内しよう」
話そのものは昨日彼等が受けた物と変わりはしない物ではあったが、十分に参考になる物であった。
「別荘地帯にも陣地か……行っていたら危なかったやもしれないな」

話は終わり教会を後にする。
日は暮れている、さて……どうするべきだろうか。


夜:サーヴァントを連れぬ状態での戦闘は危険だ、一度衛宮邸へ戻ろう
間:何を言うか、私は一人でもやれるのだ、決意新たにS市を探索する
戦:S市は広い、あてもなく歩くのならば冬木の各霊地を探索するべきではなかろうか
闘:S市の教会の次は冬木の教会を調べるべきだろうか

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最終更新:2007年05月21日 00:46