423 名前: 371 投稿日: 2006/08/07(月) 22:08:08
トランクの中には、少女がひっそりと横たわっていた。
まず最初に、生きている少女だと勘違いして、次に呼吸をしていないことに気がついて、では死んでいるのかと再び勘違い。
精巧な人形だと気がついたのは、一緒にトランクに収められていた発条を見つけてからだった。
「凄いな……こりゃ、滅多に創れるものじゃないぞ……」
トランクの中に手を差し込み、人形を抱き起こすように持ち上げる。
だらん、と力なく身体を投げ出していてなお、この人形の美しさは際立っていた。
純銀を溶かし込んだかのような輝く髪。
切れ長の瞳は、閉ざされたままでもその美しさを物語る。
手触りも心地よい上等な衣服は、土蔵の闇よりなお深い黒。
中でも一番目を引くのは、その背中に備わった一対の翼だろう。
黒鳥の羽だろうか、艶のある羽は、肌の白、髪の銀、衣服の黒と完全に調和していた。
「……お」
ふと、俺の目が留まる。
トランクの片隅に置かれていた、掌くらいの大きさの発条。
「発条……ってことは、巻くための穴があるってことだよな……」
さて、それでは……
α:その人形の発条を巻く。
β:その人形を『解析』する。
γ:……人形の服の中身が気になるワン!
投票結果
最終更新:2006年09月15日 06:04