42 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/10/19(木) 22:33:05


 ……自分が着ているのが、これまた見慣れない猫柄のパジャマであることに気がついた。

「この、パジャマは……?」

「ああ、それは、あの制服のまま寝かせておくのは忍びない、ということでしたので……その、とある女性の寝間着を借りて着替えさせておきました」

「……そうか、私の制服は……」

 ここに来てようやく、私は気を失う前の成り行きを思い出していた。
 自宅に衛宮を招いたこと。
 雛苺の思いもよらない力のこと。
 おもちゃ箱のような世界で、茨の鎖に縛られていたこと。
 はっきりとは憶えていないが、確かにあの時、制服がところどころ破れていた気がする。
 それを見かねて着替えさせてくれたのだろう。
 ……しかし、とある女性とは、一体?

「そうですか……しかし、その。
 せっかく着替えさせてもらっておいてなんだが、これは」

 その、胸周りがいささかキツイと言うか。
 先ほどから息苦しいと思っていたが、これが原因か。

「……どうかしましたか?」

 しかし、いぶかしむセイバー嬢の顔を見て、考えを改める。
 厚意で貸してくれたものなのに、そんな贅沢を言っては罰が当たるだろう。

「いや、なんでもない。
 と、ところで今は何時ごろだろうか?」

「今ですか?
 そうですね、およそ5時ごろといったところでしょうか」

 ……いつもよりも一時間以上早い起床だった。
 半日近く眠っていたと考えればむしろ長いと言うべきか。
 いや、それよりも。

「セイバー嬢はこんな時間から、私に付き添いを……?」

「ええ、ですが大丈夫です。
 これでも一晩夜通しで起きている程度、どうという事はない」

 心なしか誇らしげに、少し胸を張るセイバー嬢。
 言葉通りに受け取るならば、セイバー嬢は朝の五時からなんて生温いことを言わずに一晩中付きっ切りで見張っていてくれていたらしい。
 それは……いくらセイバー嬢が丈夫だったとしても、流石に申し訳ない。

「し、しかし……」

「ご心配なく。
 皆さんが学校へ行った後で、私も休ませてもらいますので」

「学校……あ」

 ……そうか、昨日色々あってすっかり失念していたが、今日は金曜日。
 普段どおりの平日日程、絶賛授業開催中だ。

「……ところで、鐘は学校へ行けますか?
 今日は大事を取って休んでも構わないと思いますが」

 そう、当然私も学生の身、授業があるなら登校しなければいけない。
 私は……。


α:登校する。
β:学校を休む。

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最終更新:2006年10月26日 03:40