508 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/12(水) 23:04:14

屋上へと続く扉を開くと、そこには岩石を連想させる筋肉を身に纏った巨人が立っていた。
本能が告げる。アレに関わるな、と。
普通の人間ならば、この時間に、この場所に居る事など無い。
それだけではない。あれは根本的に違う。
異端
その一言に尽きる。
今、彼の頭の中では、何故、この様な場所にボディービルダーも裸足で逃げ出すようなTHEマッスルな変態が半裸で居るのか。
その様な下らないことを考えていたが、体が反射的に後退していた。
だが、運の悪い事に何かを蹴ってしまった。
コトッ
それは大した音では無かったが、この耳が痛くなる様な静寂の中では致命的だった。
その音に反応するように変態の双眼が此方に向けられる。
その瞬間に空気が、時が、総てが凍結した。
此方に向けられていた眼が見開かれると、次の瞬間、何かが爆発したような衝撃が訪れた。
それは目の前に居る変態の雄叫びだった。ただの声ではあったが普通の声ではない。
まるで声自体に質量があるかの如く、体に叩き付けられる。
それを合図に止まっていたものが動きだした。
中でも、彼の心臓と脚はかつて無いほどの早さで回転していた。
走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る。今ならば短距離で世界新だって出せるのではないかと思わせるほど必死に走った。
脚よ、千切れろ。心臓よ、張り裂けろと言わんばかりに体を酷使する。
そして自分の意思では体が動かなくなるまで走り続けると、そこは見慣れた我が家だった。
そこで気が抜けたのか、膝が笑いだし、立っていられなくなる。
「ありゃ何なんだよ・・・・・・」
あの異形を思い出しながら呟く。
「・・・綺麗な朝日の代わりが、キモ怖いマッスルかよ、ったく。」
そう愚痴をこぼす。
腰を落とし休みながら、ふと辺りを見回すと既に辺りは明るくなっていた。
朝食の用意もしなければならないし、ゆっくりとしている訳にもいかなくなってきた。


壱.とは言えまだ体が動かないので、遅刻覚悟でもう少し休む。
弐.皆勤賞のためにガンガルYO!
参.だりぃ、サボるか。

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最終更新:2006年11月08日 01:36