590 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/14(金) 22:27:24
それは、膝下まで延びる紫髪が特徴的な見惚れる程の美女だった。
歳は恐らく彼と同じか、一つか二つ上であろう。何処かの学校の制服を着ている事から予測できる。
「学校をサボリとは感心しませんね」
それが第一声だった。
しかし、その声は彼に届いてはいない。
絶世と冠詞が付く程の美女に、いきなり声をかけられ、彼の思考は停止してしまっていた。
「聞いているのですか?」
まるで魅了をかけられた様に、視線はこの女性から外せない。
他にはなにも見えない。なにも聞こえない。なにもいらない。
其ほどまでに美の化身は彼を虜にしていた。
「・・・・・・ふぅ、反応がありませんね。
いた仕方ありません。実力行使にでます。」
そう宣言すると女性は彼に抱きついた。否、抱きついたと言う表現はおかしい。抱き抱えたと言う方がしっくりくるだろう。
その行動に彼は意識を取り戻す。
「ちょ、アンタ。なにするんだよ!」
顔を赤く染めながら、叫んだ。
しかし、女性はその問いに答えること無く、喋ると舌を噛みます、とだけ警告し走り出した。
大の男を担いで移動、それは体力自慢の漢であっても楽なことではないだろう。
どんなに頑張っても、精々数百メートルが限界だろう。
だが、この女性は彼を軽がらりと扉を開けると、大騒ぎとなった。
591 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/14(金) 22:28:52
当然だ。
無断で休んだ筈のクラスメイトが、美の女神も裸足で逃げ出すような美女に抱えられながら投降、もとい登校してきたのだから。
だがその場に居た鋼の教師、葛城宗一郎のお陰で事なきを得る。
女性は彼を下ろすとまた後で会いましょうと残しアッと言う間にさっていった。
授業が終ると、クラス中の男共がわんさか寄ってくる。
非常にありがたくない事だ。
あの女性は誰か?名前は?3サイズは?彼氏は居るのか?などの質問が来るが、そんなもの俺が知りたいとだけ答え、いちいち相手にするのも面倒なので、生徒会室へと逃げる事にした。
するとそこには、彼の友人、柳洞一成がいた。
昼休みには良く見掛けるが、この時間に居るのは珍しかった。
「どうした、一成?こんな時間に珍しいな」
「おお、衛宮。いや何、先程職員室に行った時に、転校生にここの場所を教えて欲しいと言われてな。」
「転校生?」
がちゃり、と音をたて奥の扉が開いた。
そこから出てきたのは・・・・・・
セイバー.金髪のアホ毛がそそり立っていた。
ライダー.先程、俺を拉致った美女だった。
ランサー.獣の様な雰囲気を持つ蒼い男だった。
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最終更新:2006年11月08日 01:40