607 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/15(土) 23:26:56

そこから出てきたのは、先程俺を拉致ってくれやがった女だった。
「あんたはさっきのっ!?」
「先程は済みませんでした。何分急いでいたもので。
ですが、自分にも責任があるのを忘れないで下さい。学生が学業をおろそかにするのは感心できませんよ。『ご主人様』。」
最後の一言により、世界は固る。
まるでキュベレイの魔眼に魅いられたかの如く、総てが石化した。
ご主人様という言葉に宿る魔力をいち早く無効化したのは柳堂一成だった。
「お、おい、衛宮。転校生て知り合いなのか?」
一見、いつも道理の冷静な表情にも見えるが、頬は微かに引きっっていた。
混乱した頭で、いや、知らないとだけ答える。
それ以上は何も思考出来ない。
しかし、女性は驚いたような顔をする。
「タイガから何も聞いていないのですか?」
「えっ、藤ねぇ?」
丁度その時、
「ライダーちゃ~ん♪」
などとご機嫌な様子で入ってきたのは藤村大河、その人だった。
「おはようございます、タイガ。」
「あっ、おはよ~ライダーちゃん。駄目だよ、学校では先生って呼ばなきゃ」
目の前では当たり前のように会話する二人。
取り残される衛宮士郎。「ところでタイガ、彼に説明してないのですか?」「あっ・・・・・・えへへ、驚かせようと思って、後で教えようとしたんだけど、すっかり忘れちゃってた♪」
「まったく、貴方という人は・・・昔から変わりませんね」
彼女からは多少呆れたように、それでいて嫌悪感は感じられない。
昔からという言葉尻から彼女達が古い知り合いなのだと分かる。
「おい、藤ねぇ。一体どういう事だ?」
ようやく石化が解けた士郎は大河に問いかける
「え~とね、簡単に言うと・・・」
「簡単に言うと?」
「家族が増えるの。」
その答えは至極単純で理解不能だった。
―――はぁ―――
とライダーちゃんと呼ばれた女性から溜め息が出る
「まったく。タイガ、その様な説明で分かるわけが無いでしょう」
流石に、今度は心底呆れたようだった。

610 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/16(日) 15:04:19

「仕方ありませんね。
私から説明させて頂きます。」
………
……

「・・・・・・と言うわけです」
「要約すると、アンタは親父の知人で、とある事情により、家に世話になる。その代わりに俺の世話をすると言うことか?」
「はい。まぁ、先程のご主人様はふざけ過ぎましたが」
あまり悪びれた様子は無い。
「それでは改めて自己紹介をさせて貰います。
私の名前はメデューサ。とある伝承に残る魔物の名前と同じです。
ですので、あまりメデューサと呼ばれるのは好ましくありません。かわりにライダーちゃんとお呼びください」
「ったく、親父のやつ・・・」
そう愚痴っても現実が変わるわけではない。
それに俺も健康的な男子だ。こんな美女と一緒に生活出来るのが嫌な訳がない。
「おーけー。一人くらいならどうにでもなる。よろしくな、ライダー」
「それでは他の人の紹介は後程と言うことで。シロウも早くしないと授業に遅れますよ」
そう言い残し颯爽と消え去った。
「ちょっと待て、『他の人』ってなんだよ!」
その叫びは虚しく生徒会室に響いた。
――――――――そして昼休み
授業が終わり昼食はどうしょうかと迷っていると後ろから声をかけられた。
「お待たせしました。それでは屋上に行きましょう」
それはライダーだった。
「またいきなりだな。誘って貰って悪いんだが、今日はちょっと弁当つくる時間が無かったから、食堂で食べるんだ。」
「それなら大丈夫です。シロウの分もありますから。
さぁ、行きましょう」
そう言いまたもや士郎を抱き抱えた。
当然他の生徒が見ている中で。
クラスの奴らに後で何と言い訳しようか悩んでいる内に屋上へ着いく。
がちゃりと音を立ててドアが開くと其処には、他の学校の制服を着た奴が7人居た。

626 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/17(月) 00:49:38

がちゃりと音を立ててドアが開くと、其処には他の学校の制服を着た奴らが7人程居た。
「それでは食事の前に自己紹介といきましょう。先ずはセイバー、貴方からお願いします。」
そう言うとライダーは、涎を垂らしながらお弁当箱を凝視している小柄な金髪アンテナ少女を促す。しかし反応が無い。
そうとうお弁当箱に気をとられているようだ。
ライダーははぁ、と溜め息をつくと、何処からともなく取り出したハリセンを、目の前の娘の頭めがけ振り下ろす。。
景気の良い音を鳴らしながら、それは炸裂した。「いきなり何をするのです。痛いではないですか、ライダー。」
そう文句を言いライダーを睨みつける。
「お弁当は逃げませんから自己紹介をしなさい。
これからお世話になるのですから。」
「逃げはしませんが、奪われる事はありますっ!」
そう言いながらまたしてもお弁当を見つめるアホ毛。
あっ、ライダーの額に青筋が・・・・・
不味いなぁ、と思った時には既に遅い。
ライダーのその白魚の様な指がアホ毛の頭を鷲掴み。
いわゆるアイアンクローだった。
そしてそのまま持ち上げる。
「のおおぉぉぉ!ギブッ、ギブです、ライダー!私が悪かった。
ちゃんと自己紹介しますから許してくださいぃ」
吊り上げられたままじたばたと足をばたつかせながら叫び許しを乞うその姿は哀れだった。
「次は本気で怒りますからね」と笑顔でのたまうライダー。
今のも十分本気に見えるが、命は惜しいので口には出さない。
ようやく解放された少女は頭を摩りながら、小声で、あの馬鹿力だの野蛮人だの囁く。
そのとたん、再び頭を掴まれる事となった。
「ふおぉぉぉっ!頭から聞こえてはいけない音がぁぁ!」
ミシミシと此方まで音が聞こえてきそうなほど絞め上げる。
「セイバー、次は無いと警告しましたよね?」
顔は笑ってるが、その目は怒っていらっしゃいますね、ライダーさん。
次第にアホ毛がグッタリとしていくに連れ、少女の動きが鈍くなる。
「今回はシロウの手前これで許しますが、あまりふざけていると夕食抜きですよ」
とセイバーにとっての死刑宣告にも等しいことを言うと、その瞬間アホ毛が物凄い勢いで起き上がった。
「済みません。後生ですからそれだけは許してくださいっ」
涙を流しながらの哀願。それを見ながら、
あぁ、こいつは食いしん坊キャラか・・・
などと思った。

631 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/17(月) 01:24:51

「おほん、それでは改めまして、私はアルトリア、アルトリア・ペンドラゴンです。貴方が私のマスターですか?」
「マスター?」
少女の言葉の意味が分からずに聞き返す。
その問いに答えたのはライダーだった。
「朝話した通り、貴方の家に世話になる代わりに、貴方の身の回りの世話をする約束です。
形式上はメイドと言うことになるのでしょうか。」
メイド。
それは漢の野望(ユメ)であろう。
それもこの様な美女ならば、喜ばぬ道理は無い。
そして士郎は拳を握り締め、親指をたてながら「おうよっ」と答えた。
「これより我が剣は汝と共にあり。私の運命は汝と共にある。此処に契約は完了した。」
「は?」
と少女の奇妙な言葉に首を傾げていると後ろから、蒼い髪の男が
「気にすんな。アイツは騎士に憧れててな。
ああいうのが好きなんだよ。」
と説明してくれた。
セイバーをみると、自分の言葉に酔っている様子で、決まった・・・みたいな満足そうな表情をしていた。
はぁ、とこの日数度目の溜め息を尽きながら、
「まったく、もう次にいきましょう」
と疲れたように先に進めた。
ああ、ライダーって以外と苦労性なんだ、等と思いながら次の人に目をやる。

赤コーナー.自己紹介短縮。ネタはあるが、作者の想像以上に長くなったのできんぐくりむぞんですっ飛ばす
青子ーなー.いぢでも最後まで自己紹介をさせる。作者はorz
レフェリー.詰まんないからやめちまえヽ(`Д´)ノ
連載打ち切り。素で凹むYO! 

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最終更新:2006年11月08日 01:42