646 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/17(月) 20:54:01
「それじゃ、次は俺な。」
と言い、立ち上がる目つきの悪いヤンキー。
「俺の名はクー・フーリン。
皆はランサーとか、アニキとか呼んでるが、好きに呼んでくれ。」
と簡潔に済ませた。
そこでふと疑問が湧く。「さっきから気になってたんだが、何でセイバーとか、ライダーとか、ランサーってよばれてるんだ?」
「それはな、俺達のやってるスポーツに由来してんだよ、坊主。
俺は槍術、セイバーは剣術、ライダーは乗馬。まぁ、呼び方道理だから、簡単に想像が付くだろ?」
「へ~、そんな事やってるんだ。特にセイバーの剣道なんて意外だな。」
素直な感想を漏らすとランサーはニヤリと顔を歪めた。
「なぁ、セイバーと勝負してみないか?一本でも取れたら夕飯のオカズをgetって事でさ。」
「いいのか?俺だって鍛えてるんだぞ。」
夕飯のオカズが増えるのであれば乗らない手はない。
しかし、この約束を後悔する時は、そう遠くは無いのをこの時はまだ知らなかった。
「ランサー、悪巧みも良いですが、今は自己紹介の途中ですよ。」
ライダーが注意を促すと
「悪りぃ、悪りぃ。続けてくれ。」
と言い、そそくさと下がった。
「それでは次はアーチャー、貴方の番です。」
自己紹介を促された男は士郎を見るなり不機嫌そうな顔になり、彼の方へ歩み寄った。
その彼を見た士郎の表情も険しくなる。
手を伸ばせば届く距離まで近付いたその瞬間、鈍い音が二つ。
そこには士郎とアーチャーのクロスカウンターを決め合う姿があった。
「貴方達っ、何をしているのですかっ!?」
とライダーが慌てて止めに入る。
「ふんっ、不快だ。何故この様な者の世話にならねばならん。」
「おお、気が合うな。俺もお前が大嫌いみたいだ。」
二人の間にはかなり険悪な雰囲気。
「大体、何故セイバーがこの様なグズのメイドなんだ!納得いかんっ!」
とアーチャーが吠えると、セイバーが士郎とアーチャーの間に入り、アーチャーへ向けて言葉を放った。
「アーチャー。我がマスターへ拳を向けるという事は、私に拳を向けると同義。
覚悟はあるのでしょうね。」
どこからか取り出した竹刀を顔前へと突き付ける。
その言葉はアーチャーにとってあらゆる攻撃よりも効いているようだ。
どの位かというと、
orz
みたいになる位のダメージを負うくらいだった。その姿は、士郎にすら哀愁を誘った。
654 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/19(水) 22:10:42
「はたから見ていても哀れすぎるアーチャーはほっておいて、残りの人の紹介を済ませてしまいましょう。急がないと昼休みが終ってしまいます。」
とライダーさん。
とそこに、何処からともなく赤い悪魔こと遠坂凛が現れた。
「あら、見ない顔と一緒なのね、衛宮くん。」
と士郎に声をかけた後、
「はじめまして。遠坂凛です、よろしくお願いします。」
と極上の笑顔。
猫被りモードである。これに騙された者は男女問わず、多数居るであろう。
ついこの間までは士郎もその一人であった。
しかし、ちょっとしたことから凛の本性を見る事となり、それ以来良い玩具にされていた。
士郎曰く、
赤い悪魔に関わるな、だそうな。
「ところで、この方達とはどのような関係なのかしら?」
「いや、親父の知り合いらしくて、今日から家に住むらしいんだよ。その代わりに身の回りの世話をするって条件でさ。」
らしいという曖昧な表現に凛は首を傾げた。
それを察した士郎は、
「俺もさっき聞いたばかりなんだよ。
ったっく、親父の奴、何時もいきなりだから困るよ」
と苦笑いしながら言った。
「衛宮くん家ってそんなに広いのね。
此だけの人数が増えても大丈夫なの?」
その言葉でハッとしながら、士郎は我が家の間取りを思い出し
「・・・・・・あ゙~、一部屋足りない。」
と気まずそうに言う。
すると凛は
「この中で紅茶を一番美味しく入れられるのは何方かしら?」
その問いに皆が一斉にorzしているアーチャーを見る。その問いの真意が見えず不思議がっている士郎に凛は
「一人くらいなら家に来ても良いわよ。代わりに家事なんかはしてもらうけど。」
「いいのか?たしかお前、独り暮らしだろ?知らない奴と二人きりって・・・」
「良いわよ。貴方なんて知らない人が一気に六人も増えるのよ?」
ふふふっ、と笑う遠坂。「それじゃ、彼は貰うわね。」
とそこで思わぬ反対者が居た。
「駄目です!それは大事なシェフです!」
とアホ毛。
必死に反対する。
「それがいなくなったら私の食事はどうなるのですかっ!
それが作るハンバーグ、それが作るクリームコロッケ、それが作る海老フライ・・・・・・それが食べられなくなる等私は許しません。」
セイバーの主張を聞く限り、彼女にとってアーチャーの存在意義=食事らしい事が分かる。
いと哀れ、アーチャー。
そこで嬉しそうな顔をしている所が余計に哀れだぞ。
655 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/04/19(水) 22:42:01
もう反対するセイバーに凛は
「彼の腕前は知らないけど、衛宮くんの料理は絶品よ?
とくに和食なんかは私でも敵わないわ。」
そう言いながら、いつの間にか取り出した自分の弁当のオカズをセイバーの口へ入れる。
それをじっくり味わうセイバー。
次第に顔が綻ぶ。
それはもう見ている此方が幸せになりそうな位の笑顔。
その笑顔から放たれる言葉。
「さようなら、アーチャー♪」
絶世の笑顔。
言葉尻には音符。
アーチャーへの未練は欠片も見受けられなかった。
「あの、よろしいですか?早くしないと昼食をとる時間が無くなりますが。」
「おっと、悪い。そうだな、さっさと紹介を終らせて食事にするか。」
それでは次は私が、と耳のとがった女性が前にでる。
「私はメディア。皆はキャスターと呼びます。宜しく」
キャスターの自己紹介が終ると後ろからヤンキーが近付いて耳打ちをする。
「アイツのキャスターってあだ名、意味分かるか?」それに士郎は横に首を振る。
「キャスターってのは魔術師って意味だ。
そっち系にハマッてんだよ、アイツ。
実験体にされねぇように気をつけろよ。」
との有り難くない忠告。ランサーが変なこと言うから此方まで睨まれてるじゃないか、などと考えていると、背後から
「私はハサン。朝新と呼ばれている」
と声がした。
後ろを振り向くが誰も居ない。
「気にしないで下さい。彼は人見知りが激しくて。許してあげてください。」
短かったようで長かった。
ホントに永かった自己紹介もあと一人。
なるべく視界に入れなかった後、一人。
それは・・・・・・
第1コーナー.スタートダッシュを決めたのは筋肉達磨。
第2コーナー.大逃げの体勢に入ったのは筋肉達磨。
第3コーナー依然10馬身以上差をつけて逃げる筋肉達磨
第4コーナー.サイレンススズカも真っ青な筋肉達磨でフィニッシュ
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最終更新:2006年11月08日 01:51