928 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/05/16(火) 20:47:53

「なぁ、バゼット。」
「やっと目が覚めたのですか。
これ程長く気絶させるつもりは無かったのですが」
本から視線すら外さず反応しやがる。
だけど、今はそんなことはどうでも良い。
今の俺の中には『コイツをモノにしたい』ただそれだけ。
「俺の女にならないか?」
言葉に弾かれたように此方を向く。
「力加減をまちがえましたか?」
「別におかしくなったわけじゃねぇよ。
単にお前が気に入っただけだ。」
途端に視線が厳しくなった。冷たく、凍てつくようで熱い。その感情は怒りだろう
「初対面の女、しかもいきなり自分を気絶させるような奴に告白ですか?
私はその手の冗談は好きではないのですが。」
感情を押さえるように瞼を閉じる。
「からかってる分けでも冗談でもねぇよ」

「なっ、何をいってるんですか!?私には可愛げも何も無いのに。
こんな女の側に居てもつまらないでしょうっ!」
俺が本気なのが分かった途端、顔を朱に染め、慌てふためく。
「詰まる、詰まらねぇは俺が決める事だ。」

そう言いバゼットをベットに押し倒す。
そして柔らかな唇へと近付く。
がらりと音がし、そこへに視線だけを向けると顔だけは笑っているライダー姐さんがいらっしゃっていやがりました。
バゼットへの接吻が強制的に中断する。
あまりの恐怖に体が動かねぇ。
ライダーが一歩こちらに近付くごとに、俺の死も近付く。

「祈りは済みましたか?大切は人に挨拶は済ませましたか?
さぁ、世界とお別れです」
ゆっくりと伸ばされる手が俺の頭を掴む。
途端に頭蓋骨が悲鳴を挙げる。
ぎしり、ぎしり、と今にも壊れてしまうのではないか?そう思うほどに絞め上げる。
「ぬおぉぉっ、いてぇーーー!洒落になんねぇぞ、ライダー!」
じたばたもがいても弛む気配は無い。
チッ、相変わらずキングオブハートも真っ青なアインクローだぜっ!
「貴方は、な・に・を・しているのですか?」
更に力を加えられる。そろそろホントに砕けそうだ。
「全く、学校をサボったと思ったら女性を押し倒して、しかも学校の保険室で!」
嗚呼、万が一助かったら根源に繋がってんじゃねぇか、俺?
この窮地をきり抜けられたら直死だって使えそうだ。
━━━━━━━━━━ザザッ━━━━
思考にノイズが走る。
おいおい、根源とか直死って何だよ、俺?
いくら頭が潰されそうだからってワケわからんぞ?
そんなどうでも良いことを考えながら、本日二度目となる気絶をした。

949 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/05/26(金) 21:29:28

「クソッ、がっちり手の跡がついてるぞ……」
潰されかけた頭を擦りながら文句を吐く。
「自業自得です。貴方が倒れたと聞いて駆けつけて見れば……
あろう事か、女性を押し倒していたんですからそれぐらいで済んだことを幸運に思いなさい!」
ぷりぷり怒るライダーをこれ以上刺激して、とどめを刺されるのも嫌なので文句を止める
「ったく、今日は絶好調だと思ったんだがな。女には逃げられるわ、頭に手形付けられるわ、厄日か、チクショウ」
バゼットは気絶している間に帰ってしまったらしい。
まぁ、良い。どうせすぐ会う事になるんだ。次こそは、ぜってぇ落とす!
さっきだって、キスしようとしても抵抗は無かったんだ。
ライダーの邪魔さえ無ければ今頃は……
そんなことを考えても、過去が変わるわけでもない。
それこそ■■の力でも借りない限り無理だ。
出来るとすればそれは■■使い。
━━━━━━━━ザザッ━ザザザッ━━━━━━
「クッ」
足元がふらつく。酷い頭痛だ。
思考の何かを邪魔する様なイタミ。これ以上考えれば、本当に頭が砕けると思える程だ。

あまりの苦痛に顔をしかめていると、ライダーが心配したような顔で此方を見ていた。
「……なんだよ?」
イタミのせいで、ついトゲのある言い方をしてしまう。
「大丈夫ですか?」
何だ、自分のせいだと思ってんのか?
そんな不安そうな顔をしているといじめたくなるだろ?

1:いぢめる。
2:いぢめない。アイアンクローはもう御免被る。

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最終更新:2006年11月08日 02:19