165 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/07/03(月) 12:31:47

こりゃ、いぢめるしかないだろ?
そんな邪念が頭をよぎった瞬間、背筋がぶるりと震えた。
脳裏に浮かぶは頭部を亡くした己の姿。
…………やめとくか。
ただでさえ頭痛が酷いのにライダーの鉄爪は致命傷だ。
「大した事じゃない。
少し頭痛がするだけだ」
と当たり障りの無い返答に止まる。
チッ、今日は調子がよかった筈なんだが……
何処で間違えたかなぁ


………………
…………
……
これは夢
英雄と呼ばれる程に人を殺した槍兵の記憶ユメ

その槍は、放てば必ず殺すと云われるまでに卓越した殺人術。
伝説にまで祭り上げられた殺人者。

それが戦っていた。
毎日見る、良く知る場所で。
そこは穂群原学園の校庭。何処にでもあるありふれた校庭。
そこに異物が二つ。
一つは蒼い槍兵。迎え撃つは紅い双剣士。
顔はよく見えない。だが俺は知っている。そいつ等を……

紅い双剣士は、必殺と称えられた槍を捌き続ける。普通の人間には視認出来ぬ程速く繰り出される槍を、二本の剣でいなす。ならばと心臓を、首を、額を、二本の剣で守るなら、三度貫けば良い。放たれる三撃の紅槍。必殺を三回。だが、三度殺す筈の攻撃すら双剣士を一度たりとも殺す事は無かった。

そのまま暫く打ち合うと、距離をとり向かい合う。
瞬間、時が止まった様な感覚に襲われた。
びりびりと肌を焼くように、それでいて心臓を凍らせる懐かしい感覚。
静寂が世界を支配する。
それを壊したのはパキリという軽い音だった。
自分の足元を見る。頭が理解する前に走り出していた。
理由は分からないが、見付かれば抵抗すら許されずに殺されると分かったからだ。
後ろを振り返る間も惜しみ走る。
誰もいなくなった校舎へと逃げ込む。それでも止まる事はしない。
しかし、意思とは無関係に脚がもつれ転んだ。
立ち上がろうと視線を上げるとそこには槍兵が立っていた。
暗くて顔はよく見えない。
だがしようとしている事は分かる。
槍を振り上げて心臓を突く。抵抗すらできない。
死ぬというのは、案外簡単で苦しくは無かった。
自分の胸に突き刺さる槍の持ち主を見上げると視界が明るくり、段々と表情が見えてくる。
そいつは……俺の顔をしていた。

166 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/07/03(月) 12:33:51

「……ッハァハァハァ」そこで目が覚めた。
ったく、嫌な夢だぜ。自分に殺されるたぁな。
ふと気が付くと、酷く喉が乾いていたので水を飲みにキッチンへと向かう途中で見たものは……

1枠、仮面ライダー(再放送)を見ているライダーだった。
「私は正義の味方になるっ!」
2枠、水着を着ているライダーだった。
「ら、らんさー!?」
3枠、朝食を作っているライダーだった。
「おはようございます。今日は早いのですね。」

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最終更新:2006年11月08日 02:24