994 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/09/22(金) 23:22:28

『……まる…し…ッカ~♪…獄の…んだ…ん♪』

それは、ひどく懐かしく、誰もが一度は耳にしたことがあるであろうメロディー。

『Go♪Go♪Let'sGo~♪輝くマシン♪』

それは居間に近づくにつれ、ハッキリと聞き取れる様になる。
その曲に違和感を覚える。

確かに俺はコレを知っている。だが、こんな歌を聴いた覚えが無い。
まるで知識として理解しておりながら、初めて体験するような……そんな錯覚。

そんな感覚が頭をよぎる。が、んなこたぁどうでもいいか……
だけど歌ってたのって女だったか?

自然と視線が音源へと向かう。

そこに在ったのは予想外のモノだった。
人が水面から飛び出してくる。
それは明らかに水面へ飛び込んだ映像を巻き戻していると解る程ちゃちで、お世辞にも綺麗とは言えない、大人が見るには耐えない映像。
それを此方に気付く様子もないほど熱心に見つめながら、テレビから流れる野太いオヤジの歌声に会わせるように歌うライダーだった。
普段は落ち着いた雰囲気のライダーが、この様な趣味が有るとは……

「やはり仮面ライダーはいいです……」

ほぅ、と幸せそうな溜め息をつくライダーを眺めていると、ちょっとした違和感が有った。
CMが無い。
つまりアレは録画されたモノだって事だ。
「正義の味方……カッコいいですね……」
少年の様な眼差しでで、オモシロイ事をのたまうライダー。
何故か見てはいけないものを見た気がしたので、立ち去ろうとすると
「そうだ、私も正義の味方になりましょう!」
「ぶふぉっ!?」

決意の込められたライダーのオモシロ発言に思わず噴き出してしまう。

「っ!?誰ですかっ!?」

逃げるか?
此処で捕まれば何をされるか分かったもんじゃない。
……分かったもんじゃないけど、ここで逃げたとしても、万が一俺だとバレていたら後が恐ろしすぎる。
結論、両手を上げながら投降する。

「……おーけー、おーけー、オレだオレだ。

995 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/09/22(金) 23:26:50

頼むからそんなおっかない目で睨むなよ、石になっちまうだろ?」
先程の発言を聞かれたのは流石に恥ずかしかった様で、ライダーは顔を朱に染めながら睨んでいるので、迫力に欠けていた。

「げっ、らんさー……」

げっ、と朝からはなかなか粋な挨拶をしてくれるじゃねぇか。
「ふ、ふんっ、馬鹿にするならしなさい。こんな歳にもなって特撮を見てると。
ええ、見てますとも、見てますよ。ですがそれで貴方に迷惑をかけましたか?否、かけていません!ならば良いではないですかっ」

がーっとまくしたてるライダー。

「どうどう、落ち着け。悪いなんて言ってないだろ?嗜好は人それぞれだ。
お前が正義の味方に憧れようが、目指そうが構わねぇよ」

「だっ大体、いつも重役出勤の貴方がこんな時間に目を覚ますのですか!」

「おいおい、無茶苦茶言うなよ。普段はもっと早く起きろだの、規則正しい生活しろだの言っておいてそりゃないだろ?」

「貴方がこんなに早く起きるなんて槍でも降るのではないですか?」

ひでぇ言われ様だな、おい……

「空の上からゲイボルグってか?」

「ゲイボルグ?」

聞き慣れぬ単語にハテナ顔のライダー。
「……まぁ、普通は知らねぇか。」

そりゃそうか。自分の国の神話なら別だが、アイルランドの英雄なんて知るわけねぇよな。

「ゲイボルグってのは「おっ、珍しいな。
今日は何か用事でもってあるのか、ランサー?」

俺の言葉を遮るように、背後から突然の乱入者。

それは……

一枠:衛宮士郎だった。
二枠:アーチャーだった。
型枠:バーボンだった。(BAD END)

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最終更新:2006年11月08日 02:29