74 名前: 言峰士郎 ◆kceYkk4Fu6 [sage] 投稿日: 2006/11/21(火) 01:26:19
「石川先生のご冥福をお祈りします」
言峰士郎1-2『初めての超☆手作り弁当~毒舌編~』
……なるほど、どうやら俺の内なる魂の叫びが、彼女と共に昼食をとることを望んでいるらしい。
なれば手加減はしまい。
――彼女を睨みつける。
全身全霊を以ってして事に臨もう。さもなくば死があるのみだ。
先輩に相対して手を抜くなどということは持ってのほか。
難しいことではない。不可能なことでもない。
何故ならこの身は、ただそれだけに特化した精神構造――……ッ!!
「――イリヤ先輩……ッ!」
――我は手技では地には着かぬ。手技に依る者、父親の容貌を忘却せり。
我は精神にて地に臥す者なり。
「どうか、一緒に……」
我は舌先では言葉を吐かぬ。舌先に依る者、父親の容貌を忘却せり。
我は心掟にて言葉を紡ぐ者なり。
「――お昼ご飯を――」
我は頭蓋では物を頼まぬ。頭蓋に依る者、父親の容貌を忘却せり。
我は我が魂魄にて事全てを頼む者なり……ッ!
「お願いします……ッ!!」
「別に良いけど、シロウってお弁当持ってるの?」
思考タイムはゼロコンマ五秒で俺の全身全霊をかけた土下座は弾き返され見事にクロスカウンターを決められた次第。
車田飛ばなかっただけマシだと思って頂きたい。燃え尽きちまったよ、とっつぁん。
ああ、とっつぁん。あいつはとんでもない物を盗んでいきました。
「私の、心です……!」
「シロウが何言ってるんだかさっぱりわかんないよ?」
「いやまあ、こっちの話。こっちの話。
あー、弁当か。弁当なあ」
さて、どーだったか。購買で買うことも多々あるのだが、稀に弁当を作って持ってくることもある。
――が、つーかアレだ。厨房はあの妹に支配されてたんだ。
さて、アイツが弁当なんぞ作ってくれるとは思わないが――……。
「……おや?」
カバンを手繰り寄せて中を覗き込むと、教科書に混ざって、なんか直方体チックな物質を発見。
弁当箱にしちゃ手ごろなサイズ。
ふむ、これはアレですか。噂に聞く義妹の手作り弁当ってぇ奴ですか。
とりあえず引っ張りだした、その弁当箱は――
――ジャッジメンッ・タァァアァァァイムッ!!
Q.前スレ最後で『水銀灯』と書いていたのはネタですか誤字ですか?:黒い地味めな布に包まれていた。
A.どう見てもゆとり教育の弊害です。本当にありがとうございました:ファンシーな布に包まれていた。
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最終更新:2006年11月21日 21:59