148 名前: 言峰士郎 ◆kceYkk4Fu6 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 01:05:56

A.どう見てもゆとり教育の弊害です。本当にありがとうございました
言峰士郎1-3『初めての超☆手作り弁当~回答編~』

「ええっと……や、どーやら妹が弁当を作ってくれたみたい、なんだが……」

「へー、シロウってお兄ちゃんだったんだ。知らなかったー」

えーっと。
なにこの児童番組で司会のお姉さんが絵描き歌通りに絵を描いたら明らかに違う絵になってヌイグルミどん引き子供どん引きな布。
ひょっとしてコレ手作りか。刺繍したのか。そして嫌がらせか。嫌がらせなんだな。
それとも趣味か。まあハイテナイ義妹だからこんな趣味もありかもしれないが。
だとしたらまずい。何がまずいって中身もこんな間違った少女趣味かもしれないあたりがまずい。
宇宙がヤバイくらいにまずい。女子供はすっこんでろとか二度といえなくなる予感。
だが――

「糞ッ
 クソ!!
 糞ッ
 クソッ
 冗談じゃねえや
 モーッ
 あ―――ッ も―――ッ
 畜生め
 ええぃ
 弁当作ってもらっちゃったもんなァ!!
 やっぱなあ!!
 喰うっきゃねえッよなァ!!」


「随分嬉しそうだね、シロウ」

「えぇーっ? そぉっかなぁー?」

そんな事はまったく無いと思うんだが。
うむ、何故だか知らないが唇の端がつりあがる。
だらしないったらありゃしないので手で押さえるんだが、
うーむ、何故だろう。まったく収まる気配がない。

「でも、良い妹さんだね? わざわざお弁当作ってくれるんだから」

「まぁなあ……これで中々可愛いところもあるもんだよなあ?」

 しゅるしゅると落ち着かない手つきで包みを解く。
 震えるな俺のハート!震えるな俺のハンド!
 弁当箱の中から現れるだろう、山吹色の昼食を見るまで――って。

149 名前: 言峰士郎 ◆kceYkk4Fu6 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 01:07:03

『拝啓 大好きなお兄ちゃんへ(はぁと)

 どうですか、私のお弁当は?

 この梅干はサービスですから、まず食べて落ち着いて下さい。



 うん、『また』なんです。だけど謝りません。

 異教徒は仏の顔もって言いますし、謝って許してもらおうとは思いません。



 でも、このお弁当を見たとき、兄さんは、きっと言葉では言い表せない、

 『ときめき』みたいなものを感じてくれたと思います。


 この殺伐とした聖杯戦争で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。

 そう思って、この弁当を作りました。

 これを見てるって事は、つまり感じたって事ですよね?

 ―――――――――――フィッシュ。

 まあぶっちゃけ不正解なのでスーパーハサンくん人形は没シュートとさせていただきます。

 (SE:テレッテレーテレーン)

 次回以降はカレンちゃん人形で頑張ってください。

 ――『あなたの』言峰カレンより』

150 名前: 言峰士郎 ◆kceYkk4Fu6 [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 01:07:50

「OK、物も言わずに三度死ね」

「なにその変わり身の早さ!?」

「梅干一個と義妹のSDマスコットで腹が膨れるかあッ!
 嫌がらせだろ、これ絶対嫌がらせだろ!? 俺のこと嫌いなんだろ!?
 つまり奴のハラワタをぶちまけても良いって事だ!」

「えー? でも嫌いな人に自分のマスコットをプレゼントしたりしないと思うけど?」

「それで腹が膨れるわけがないと断言させていただきたい……ッ!!
 しかも微妙に裁縫が上手いあたりが! 特に! 納得いかん!!」

地団駄地団駄地団駄地団駄。でもマスコットは捨てない。
コレ、絶対ヤバゲな呪いとかかかってる。捨ててもきっと戻ってくる。
だって捨てるってことはいらないって事じゃん。いらないものが戻ってきたら困るじゃん。
だから普通の人形は捨てても戻ってこない。話のわかる奴だ。
そして梅干も捨てない。貴重な塩分補給の機会を逃すわけにはいかん。

「こうなったら種まで味わい尽くして、あの義妹にぎゃふんといわせてやる……ッ!!」

………………なんだかんだ言って食うんか、俺。情けなくて涙が流れそうだぜ!
でも泣かないぞ。
偉大なるゴッドは、人の上に人を作らず、人の下に人を作らなかったが、
兄の上に妹とか妹とか妹とか妹とか妹とか妹とかを作っただけなのだ、きっと。
だから泣かないぞ。だって塩分がもったいないじゃないか!!




「――で、だ。先輩」

「なーに、シロウ? あ、この卵焼きおいしー」

「いきなり俺にライダーキックかますってェことは、だ」

「あー、あれかー。うん、塩鮭もなかなか……」

「なにか用事があったんじゃないかと愚考するわけだ、俺としては」

 それとそろそろ死に腐れと罵っても宜しいでしょうか?

「あ、そだそだ。ついうっかり忘れてた」

 お行儀良く膝の上に置いたお弁当を食べながら、先輩は頷いた。

「あのさ、放課後ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど、大丈夫?」

「まあ、そりゃあ、事と次第によるわけだが」

「ほら、美術室のストーブ。とーとー天寿を全うしたらしいんだけど、
 ひょっとしたら仮病かもしれないけど判断がつかないんで死亡確認お願いします、ってイッセーくんから」

「あー……アレか」

 とゆーか、柳洞の奴も、先輩に頼むとは苦渋の決断だったろうに。
 一家に一匹イリヤちゃんたあ、昔からご町内の人気者だった程のお手伝い妖精とは彼女のことなのだ。
 しかしながら唯一の欠点は、彼女が見た目小さい女の子であるということ。
 大の男が頭下げて手伝い頼むにゃあ、ちょいとばかり以上に心苦しいのである。
 結果。イリヤ先輩は欲求不満のあまりに頼まれなくとも困った人を助けて火照った身体を慰め――

「なにかおかしなこと考えてない?」
「とんでもございません」

 ぶんぶんと頭を振って否定する。とんでもない。素晴らしいことしか考えていませんヨ?

「それで、放課後修理したいんだけど……美術室は部活動やってる人がいそうだし、外に出てもらうのも、アレだから……」

 ――ああ、それでストーブを運び出すので手伝って欲しい、と。
 俺にゃあ機械のことは良くわからんが、イリヤ先輩が修理をする時、傍に人がいると集中できないってぇ事は知っている。
 なるほど。まあ……ふむ。空きっ腹は結構きついので。

「報酬は前払いで一つ」
「先輩ね、蘇生作業でボッタクルのって間違ってると思うの」

 ――この背教徒め!
 とはいえ、さて。俺の放課後の予定はどーだったろーか。

 ………………ジャッジメンッ!タァァァァァアィムッ!

「ポニーテールを大切にしない奴は死ねば良いんだ!」:うむ、特に無いのでお付き合いしよう。
「また、俺達の前に立ちはだかるのか……ポニーテールッ!!」:OK,あんな義妹はこのヴァンダムが許さねぇ。
「俺達はまだ上り始めたばかりなんだ、この果てしないポニテ坂をな」:なんだか遠坂が怖い。遠坂が怖い。遠坂が怖い。

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最終更新:2006年11月23日 08:19