959 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2007/01/12(金) 23:29:35


「――それじゃあ、明日、直接会いに行きましょう。
 そっちのほうが真紅をからかってるみたいで面白そうだしぃ」

 水銀燈が出した結論に、俺はほっと胸を撫で下ろした。
 水銀燈の思惑が挨拶にしろ宣戦布告にしろ、なるべくならば穏便な接触で済ませてほしいというのが俺の偽りない本心である。
 昼間、さらに正面からの訪問ならば……最悪でも闇討ち、不意打ちの類の危惧はしなくても済むだろう。

 ――そして、夜の姿見を越えた先に、何者かの影を見ることも無い。

「オッケー。明日から休日だし、丁度良かった」

 膝を打って了解する。
 明日は土曜日、学校も休みなので、部活動にも所属していない俺は一日自由に使えることになる。
 朝食を終えたら、早速出かけられるだろう。

「……そうねぇ、せっかくだから、色々準備しておこうかしら……」

 見れば、水銀燈も何やら考えているみたいだった。
 何か一人で頷いた後、俺に向かってこう尋ねた。

「士郎、人形を用意しなさい」

「人形? 人形って……」

 突然の質問に面食らう。
 とりあえず人形なら目の前に一体いるんだけど……。

「人形は人形よ。自分で動けない人形でも、私の力を込めれば、思うがままに動かせるようになるの。
 それを使って、真紅を驚かせてあげるわぁ」

「ああ、人形って、そういうことか」

 そういえば雛苺も、nのフィールドでアレだけの人形を操作していたっけ。
 水銀燈も同じような事が出来るってことか……って、待てよ?
 それって下手すると、俺が氷室の二の舞になるんじゃないのか?

「あの、それって俺から力を吸い取るってことだよな?
 間違って俺が消滅するなんてことは……」

「雛苺みたいに、って言いたいわけぇ? くだらなぁい。
 後先考えずにたくさんの人形を操るなんて、お馬鹿さんのすることよ。
 水銀燈は、あんな使い方はしないわぁ」

「そ、そっか、よかった」

 俺だって魔術師の端くれだし、普通の人よりもいくらかは耐えてみせる気ではあるが、流石に氷室が消滅しかけたのを見た後では不安にもなる。

「でもなぁ、人形かぁ……」

 俺にはとんと縁のないアイテムである。
 もちろん親父にもそんな趣味は無かったので、土蔵をひっくり返してもおそらくその類のものは出てこないだろう。
 しかし、人形……人形……フィギュア……ぬいぐるみ……?

「あ」

 そうだ、それならば――。


α:俺が自分で『投影』して人形を作れるかな?
β:セイバーのぬいぐるみを拝借しよう。
γ:イリヤの城には山ほど人形があったじゃないか。
δ:藤ねえならゲームセンターの景品をくれるかも。
ε:素直に新都のヴェルデで買ってくればいいか。

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最終更新:2007年01月13日 18:02