633 名前: 運命夜行 ◆ujszivMec6 [sage 死神の逆位置] 投稿日: 2007/03/11(日) 03:00:33
「いや、死んでないから」
「え? 何がですか? 杏里先輩」
「なに、こっちの話」
途中、意識が飛びそうになって、どこぞの道場や神社や教会の幻を見たような気もするが、藤ねえの教育的指導からなんとか生還した。
オレは今、我が家の居間で寝転びながらテレビを観るという、なんとも優雅な時間を過ごしている。
今夜は士郎がまだ帰ってきていないので、台所は桜の独壇場となっている。
ちなみに藤ねえは一旦藤村の家に帰っている。もうすぐ夕飯を食いに来るはずだ。
「士郎先輩、遅いですね……」
台所から桜が話しかけてきた。
「んー、なんかバイト先のヘルプに行くとか言ってたからな。どうせまたこき使われてるんだろ」
「バイト先って新都なんですよね?」
「ああ、確かコペンハーゲンとかいう酒屋」
昔、士郎のバイト先だっていうんで酒呑ませてもらいに行ったら、見事に士郎本人に追い返された事があるんでよく覚えている。
「杏里先輩、新都の集団昏睡事件は知ってますよね?」
「え? 何それ初耳」
「もう、今朝のニュースでやってたじゃないですか!」
んな事言われても、今朝はとろろ事件でそれどころじゃなかったからなぁ。
とりあえず、バラエティ番組からニュース番組にチャンネルを切り替える。
「おー、こいつかぁ……」
新都の昏睡事件について、特番が組まれていた。
どこぞの大学教授の説明によると、原因はガス漏れだか一酸化炭素の大量発生だかなんだか。
「ふむ、それで桜としては今新都にいる士郎のことが心配なワケだ」
「ええ、まあ……」
「……」
「……」
「……キミぃ、そこは『ち、違いますよ別に士郎先輩が心配なわけじゃ……』とかそんな感じじゃないのかね?」
「……は?」
「いや、何でもない。忘れてくれ」
さて―――
月の逆位置:とりあえず桜を安心させるか。「士郎なら大丈夫だろ」
節制の正位置:話題を変えるか。「ところで今日の晩飯は何だ?」
恋人の正位置:ストレートに聞いてみるか。「桜って士郎が好きなんだろ?」
愚者の逆位置:告白してみるか。「好きだ、桜。オレと付き合ってくれ」
戦車の正位置:お、藤ねえが来たみたいだ。「桜ちゃーん、お腹すいたよー」
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最終更新:2007年03月11日 17:41