845 名前: ブロードウェイを目指して ◆bvueWC.xYU [sage] 投稿日: 2007/03/19(月) 21:33:42

【特定選択肢が選ばれました。???ポイントが加算。現在 1P/5P 】


「疾っ!」

 俺は短く息を吐いて迷わずに地を蹴り真横に回避行動を取った。
 七夜の一刀は先程と同様、俺が立っていた所に攻撃を加え…………ていなかった。

「なっ……!?」

 思わぬ事態に陥り俺は思わず声を漏らして立ち止まっていた。動きを止める事が死に繋がる事も忘れて。

「同じ斬撃が通じるはずがないくらい承知。それを同じ方法でかわすとは愚の骨頂……!」

 殺気が俺の背後でつぶやく。逆手に持ったナイフが俺の首筋めがけて迫ってくるのが分かった。

「……っ!」

 俺は己の行動に後悔し、死を覚悟した。体をこわばらせて強く目を閉じる。少しでも痛みを弱く、早く死が訪れるようにと。

「つくづく無能だな…………死ネ」

 何者をも凍らせるような呪詛。俺はそれを半ば受け止めかけた時、リン、とどこか遠い所で鈴の音が鳴ったように聞こえた。

(………………鈴?)

「っ! ちっ!!」

 舌打ちと共に決定的な死が一気に遠ざかった。
 振り返ってみると俺のすぐ背後にいた七夜が大きく後退して俺とは見当違いの方向を向いて構えている。
 警戒を解かずに俺も七夜の視線を追ってみると、そこには……

「レン!」
「………………」

 レンは俺のことは丸っきり無視して睨むような目でただ七夜を見返していた。
 どこからどう見ても怒っている。

「なるほど、そこの黒いお嬢さんも相手ってわけだ……」

 状況を把握した途端、七夜は不敵な笑みを浮かべて俺とレンを交互に見やった。

「なかなかいい殺気を出してるじゃないか、気に入った。半端者も少しはやるようだな」
「……っ!」
「おっと、怒らせたかな」

 悪びれる雰囲気もなくおどける七夜。レンは今にも相手に飛び掛りそうだった。
 実際にレンが行動を起こそうとする直前に七夜が口を開き、

「俺一人だったらこのまま楽しもうと思ってたんだが……邪魔が入っては話は別だ。今回はここで退かせてもらうよ」
「そうはさせるかっ!」

 俺は一息で間合いを詰め逆袈裟に七つ夜を走らせる。
 が、そんな奇襲は読まれていたのかあっけなくかわされ、さらに距離を取られるだけだった。

「慌てるなよ。お前とはまたいずれ殺り合う時が来る。それまで誰かに殺されるようなヘマはするなよ……じゃあな」

 そう言い残すと七夜は闇に溶けて気配を消して去っていった。

「…………」
「…………(クイクイ)」
「ん……どうしたレン?」

 いつの間にか俺の隣に来ていた使い魔に目線を合わせようとしゃがみ込む。
 レンはさっきとは打って変わって潤んだ瞳で首を傾げながらこちらを見ている。恐らくこちらの体の心配をしているのだろう。

「ありがとレン。おかげで助かったよ」
「…………(///)」

 ポンポンと頭を撫でてやるとレンは気持ちよさそうにしてきた。

「さてと……」

 一通り和んだ所で気持ちを切り替える。アイツの目的はいまいちよく分からなかった。
 俺を殺すことだけなら今すぐにでもやれるはずなのにやらなかった。それに、また俺と会うような事も言っていた。
 ともかく、アイツにとって「ただ殺す」事は不本意なのだろう。

「…………」



 これ以上は考えても仕方ない。本来の目的、弓塚たちを探そう。
 次は……

捜査の基本は現場から:屋敷へ行ってみるか

捜査の基本は聞き込みから:街に出てみよう

投票結果

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年03月20日 17:21