17 名前: 運命夜行  ◆ujszivMec6 [sage 愚者の正位置] 投稿日: 2007/03/25(日) 03:24:55

 待てよ、このままオレは、聖杯戦争が終わるまで遠坂から逃げ続ける日々を送るのか?
 そもそもだ。オレは間違いなく『今回の』聖杯戦争には関わりがない。
 まあ、バゼットを助けた時点で全く関わりないとは言い切れないが。
 それでも、遠坂に追い回されるような覚えはない。……はずだ。

 というわけで、あえて堂々と遠坂のいる弓道場に入ってみた。
「おーい、士郎。まだ掃除終わってないのか?」
「あれ? 杏里か」
 士郎は、掃除中に遠坂に話しかけられたのか、雑巾を持ったままだった。
 で、遠坂はというと……
「なっ!? アンタ……!」
 おー、驚いてる驚いてる。
 不意にオレが現れたもんで、遠坂も赤いのも見事に固まってる。

「ん? 遠坂もいたのか? 士郎と何話してたんだ? もしかしなくてもオレお邪魔虫だった?」
 さもたった今遠坂がいるのに気づきましたよー、とばかりに白々しく聞いてみた。
「いや、まだ何の話かまでは聞いてないんだけどさ。なあ遠坂、杏里も聞いていい話か? なんなら外してもらうけど」
「……いえ、むしろちょうどよかったわ。衛宮……ややこしいから名前で呼ぶわね。杏里くんにも色々と聞きたいことがあったから」
 どうやら遠坂も、追いかけっこはもううんざりだったらしい。『ここで決着つけましょ』と目が語っている。

 ちょっと微妙な状況になってきたな。
 遠坂はオレがサーヴァントじゃないかと疑っている。
 士郎は聖杯戦争の事をまだ知らない。
 士郎と遠坂は二人とも魔術師なのだが、多分お互いにその事を知らない。
 ちなみに赤いのは、霊体化したまま弓道場の入り口に陣取ってしまった。

 ……さて、何をどこまで話していいものやら。

 月の正位置:何を聞かれてもとぼけきる

 魔術師の正位置:士郎が魔術師であることまで

 吊るされた男の正位置:聖杯戦争のことまで

 悪魔の正位置:いっそ、オレが答えられる限りの事は全部話してしまおう

 戦車の正位置:とりあえず話は後回しにして、弓道場の掃除を遠坂にも手伝わせよう

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最終更新:2007年03月25日 13:01