637 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/11/06(月) 03:56:59

無言のまま、背中越しにイリヤの前を洗う事にする。
脇の下や首筋など、汗のたまりやすそうな部分を十分的に洗うことを中心に、全身を洗うことにする。
「ひゃうっ!? シ、シロウ?」
……この辺りが限界ラインである。
遠坂や氷室の、なんというか肌や筋肉まで感じ取ってしまったら多分理性が限度を超える。
今でさえ臨界寸前、メルトダウンが目前に迫っている。
イリヤは妹であると己を誤魔化してしまえば、ギリギリで臨界は超えない。
三枝さんの時は危ないところだったが、理性を総動員してなんとかなった。
だが理性は擦り切れ、しかも一度『安心』してしまっている為、限界は既に突破している。
そして今は『妹である』と思い込む冷却剤があるからこそなんとかなっているのだ。
ここで遠坂や氷室の体を洗おう物ならば……LOCA<<冷却材喪失事故>>は免れない。
その結果がどうなるのかは想像の外。
恐らく考え得る限りの最悪の事態。
その地平を遙かに超える事象が発生するだろう。
イリヤだけで、イリヤ<<妹>>だけでなんとかしなければ……

「ほほぅ……」
「へぇ……」
二人が矢鱈と冷静な目をしている。
その顔は、まとめて頭を冷却してくれた。
だが一体何をそんなに……
「あ」
分かった。
理解した。
そして納得した。

抱き寄せたイリヤの息が荒い。
「んん……シロウ……ダメだよぉ……乳首とか、いじっちゃ……」
イリヤが、聞いたこともない艶っぽい声をしている。
振り返った顔は赤く、目は蕩けるように焦点が合っていない。
湯煙や汗でわかりにくいが、その口元からは涎すら垂れている。

えーっと、これは……いわゆる。
自分の体のコントロールが出来なくなるほど『昂まって』いるッ!
「すっ! すまん!」
その認識と同時に手を離す。
全速で後ろに下がる。
壁に当たって頭をぶつける。
少し痛いが気にする事などできはしない。
今気付いたがスポンジは床に落ちて転がっていた。
直接!?
ま、まさか、今の今まで直接触れていたのか?
手の泡を見る。
先程まで触れていましたというような、人肌の温もりを感じる。
……どうしよう、イリヤ相手でも理性が危険だ。
とはいえ、こういう状況になればここから先の、これ以上の危険な状況の回避は……
「……盛ってきた」
できてないようです。

た、立ち上がった!
二人が勢いよく浴槽から立ち上がったァー!
そしてそのまま不思議な軽やかさと共にゆらりと向かってくるゥー!

危険だ、襲われる。
『逃げろ』と、
本能が警告した。


座ったままの姿勢! 膝だけであんな跳躍を!:脱出だ! 全力で脱出だ!
こいつはやばいッ!:「ふっふっふ……たっぷりと洗って貰おうではないか、たっぷりとな」動き出す前に捕獲された。
逆に考えるんだ:主導権を握って脱出のチャンスを待つッ! その為に敢えて突入する!
この野郎を食うのはおれだぜーッ:「先輩、何を――!」「シロウ、何を――!」風呂場に桜とライダーが乱入してきた。
PLUCK(勇気をッ!):「しーろーうー!」虎が! 虎が真剣を持って風呂場に突撃を!

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最終更新:2007年05月21日 01:37