546 名前: 371 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/08/12(土) 01:10:32


 とりあえず、俺が一人で応対することにしよう。
 いきなり水銀燈と対面させると、恐らく俺にとってあまりよろしくない状況になる。
 そう判断した俺は、水銀燈に「悪いけど、ちょっと待っててくれ」と言い残すと、
 素早く土蔵の扉を開いて、隙間から抜け出るように外に出た。

 後ろ手で再び閉めると、目の前にはそんな俺の挙動を「む?」といった様子で眺めているセイバーが立っていた。
 セイバーはいつもと同じブラウスに青いスカート、という出で立ちで、
 手には先ほどまで俺が使っていた箒が握られていた。
 恐らく玄関に立てかけてあったものを拾って持ってきてくれたのだろう。

「すまない、セイバー。それにしても、よくここだって判ったな?」

「先ほど、シロウの気配がこちらへ向かったのを察しましたので」

 げ。
 どうやら剣の英霊さんには、土蔵にいることはとっくにばれていたらしい。
 自分のスニーキングスキルの未熟さを嘆くべきか、
 それともセイバーの気配察知スキル高性能さに感嘆するべきか、判断に迷うところである。

「ですが、たった今、玄関を見てみたらこの箒が置いてありました。
 ……シロウ、掃除の途中で土蔵に閉じこもって、一体何をしていたのですか?」

「あー、いや、その」

 さて、一体なんと言ったものか。
 なんとかして上手い嘘を考えるべきか、それとも正直に告白するか。
 どうするか決心のつかないまま、俺は口を開いた。

「実は、庭の掃除をあらかたやった後、
 ついでだからってことで玄関まで手を伸ばしたんだけどな。
 そうしたら玄関先に――」


α:壊れたガラクタが落ちてたんだ
β:人形の入ったトランクが落ちてたんだ
γ:まだ飛べない鴉の雛が落ちてたんだ
δ:特上の冷凍本マグロが一匹落ちてたんだ
ε:遠坂のツインテール部分が落ちてたんだ

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最終更新:2006年09月03日 17:41