548 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日:2006/12/07(木) 05:18:17
連続して薬莢が排出される。
「打ち砕け……ファイア!」
その瞬間、確かに彼女は恐怖した。
爆炎で視界から消えるまでの一瞬、弾幕の中セイバーが恐ろしい形相でフェイトを睨んでいる。
そこで攻撃の手を緩めることはしなかった。
逆に、攻撃の意志は固まったまま。
「おおおおっ!」
その叫びは双方の物。
消え去った視界の先で、連続して雷光が炸裂し、凄まじい衝撃波が駆け抜ける。
「フォトンスフィア、展開!」
彼女の周囲に展開していたスフィアを持続しつつ、更にスフィアを敵の周囲に展開した。
「斉射<<サルヴォー>>!」
更に展開したスフィアからも雷光の槍が発射される。
炸裂する雷光は太陽と錯覚するほどだ。
カートリッジを用いた強化。
更に彼女自身の迷いのない全力全開。
その一撃は、
息が荒い。
「間違いなく直撃した……」
そう、もしバインドから逃れているのならあれだけの全力、無防備だった彼女の背中を取ることは容易いだろう。
だから間違いなく直撃している。
砂煙が収まった先、男が立っていた。
総身から白煙を上げ、息を切らしながらも、確実に己の足で立ち。
「やるではないか……」
そう言って壮絶な笑みを見せた。
「今この場で、『再起不能になって<<リタイアして>>』もらいます!」
「お前にできるのか? このコスタス・バルギリオをなああっ!」
力強い宣言に応えたのは笑い声。
そして再び襲いかかるのは影そのもの。
その影に溶けながら、笑い声だけが響いていく。
「倒す! 誰かを犠牲にして叶える願いなんて間違ってるって、分からせてあげる! この私と! レイジングハートが!」
再び襲いかかる闇の獣に向けて光弾を放つ。
決断してさえしまえば、行動は早い。
「レイジングハート! バスターモード!」
<<Set up>>
カートリッジの排出の直後にデバイスの形状を変化、砲撃戦モードへ変化する。
影に炸裂し、影が吹き飛ぶ。
「ハハハ! そんなんで影を消せるかよ!」
影の中から腕が飛び出す。
その手にはカラシニコフ。
射撃音が響き、銃弾が撒き散らされる。
「うわっ……影の中に隠れ……違う……本当に溶けてる……?」
回避しながら影を観察する。
<<Master!>>
レイジングハートが警報を発する。
「えっ?」
続いて影から現れたのは身体の一部ではない。
巨大な複数の触手だ。
「うわわっ……!」
高度を上げる。
触手の先端から魔力弾が放たれる。
「こんのっ……スフィア展開!」
飛行しながら上空に複数のディバインスフィアを展開する。
「ディバイン……シュートッ!」
触手を叩き落とす。
「ちっち……火力では勝てないか……だが、負けぬわ!」
すぐ近くで起きた爆風と同時に影が『起き上がる』
「えっ」
起き上がったのはなのはの進路上。
一瞬だけ動きが空中で停止する。
その隙を狙い、影から獣と同時、コスタスが飛び出した。
「もおらったあ!」
手にはナイフが握られていた。
最終更新:2007年05月21日 02:06