878 名前: 運命夜行 ◆ujszivMec6 [sage 教皇の正位置] 投稿日: 2007/03/21(水) 01:47:29
キレイ「ようこそ、我が教会へ。私が、なにやらモジャ神父などと呼ばれている聖杯戦争の監督役、言峰綺礼だ」
カレン「初日に冬木市に来たのに、その後の出番は徹底的にスルーされている銀髪シスターことカレン・オルテンシアです」
キレイ「まあ、出番が確定しただけ良かったではないか、シスターカレン。何しろ君は、本来この聖杯戦争には参加していない人間だ。
選択肢によっては、そもそもこの冬木市に来れるかどうかも怪しかったのだろう?」
カレン「ええ。この後本来あったはずの出番が無くなりそうなどこかの神父よりはマシかしら」
キレイ「何しろバゼットが救出されてしまうと、間違いなく私が彼女を襲った事が露見してしまうからな。
仕方あるまい。せいぜい私は暗躍させてもらうとしよう」
キレイ「さて、今回のバッドエンドだが。シスターカレン、解説を」
カレン「わかりました、言峰神父。
運命夜行は人間、怪物、英雄の三人の衛宮による聖杯戦争の話です。
従って、話の途中で衛宮士郎、衛宮杏里、エミヤのうち誰かが死亡、もしくは再起不能になるとバッドエンドです」
キレイ「エミヤ、すなわち凛のアーチャーもだな?」
カレン「ええ。うかつに『別に倒してしまってもかまわんのだろう?』などと格好をつけて単身狂戦士に挑んで返り討ちにあったりすると、もれなくデッドエンド扱いなので気をつけてください。
そして、今回のバッドエンドですが、衛宮杏里の殻が破れてしまったことによる、怪物化です」
キレイ「衛宮杏里は、日常を楽しむことによって、自身の憎しみを抑えているからな。
その日常が壊されるのを恐れているし、日常が壊されたと感じると、一気に今まで抑えていた憎しみが溢れ出してしまう。
特に日常の象徴である衛宮士郎、間桐桜、藤村大河の身に何かがあると殻が破れやすくなるそうだ」
カレン「でも、この時の衛宮士郎は遠坂凛が助けているはずなのですよね?」
キレイ「その通りだ。原作と違い、この時点で既に凛は衛宮士郎をマスターではないかと疑っていたようだが……
凛も甘いな。結局は衛宮士郎を見捨てることができなかったらしい」
カレン「彼は死体と生きている人間の区別もつかなかったのかしら。情けないわね。
バゼットの時は普通に見分けがついていたのに」
キレイ「一応、中の人間も『死んだと思っていた衛宮士郎は実は生きていた。なんだ、びっくりさせるんじゃねえ』という展開も考えてはいたらしいがな。
実際に文に起こしてみると、殻が破れかけた状態の衛宮杏里に衛宮士郎の生死の判定をさせるのは無理だったそうだ」
カレン「それでは言峰神父、そろそろ今回のバッドエンドの対策を」
キレイ「要するに殻が破れるようなものを見なければいいのだ。
衛宮士郎が自力で帰って来るのを待つか、早めに迎えに行ってそもそも衛宮士郎が殺されるのを回避すればいい」
カレン「『遅くなるようなら、迎えに行こう』なんて中途半端な選択が却って良くなかったわけですね」
キレイ「その通りだ。中庸な選択が無難な結果になるとは限らん。
あと、これは独り言だが……衛宮士郎が無事ならば、凛の手元には例のペンダントが残る事になるな」
カレン「あら、いいのですか? そんな事まで助言して」
キレイ「いやいや、これはあくまで独り言だよ。ただ、他人の心臓を修復できるほどの魔力の篭った宝石だ。ここで使ってしまうのはもったいないとは思わないかね?」
カレン「……何か含みがありますね。果たしてこの男の言葉を素直に受け取ってもいいのかしら」
キレイ「それは選択肢を選ぶ側の自由だよ。私を信用できないのなら、聞かなかったことにすればいい」
カレン「……本当に食えない男ね」
879 名前: 運命夜行 ◆ujszivMec6 [sage 教皇の正位置] 投稿日: 2007/03/21(水) 01:49:31
キレイ「ところで、実はまだ助言がある。選択肢に使われているタロットカードだが、あれは意味がないわけではないぞ」
カレン「ええ。例えば女教皇が私、女帝が凛というのはあからさますぎて、わかりやすいですね」
キレイ「確かにそのように単純な登場人物のイメージで選んでいる場合も多いがな。
これを見たまえ。【ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E5%8D%A0%E3%81%84】」
カレン「タロットカードの一覧表……ちゃんと暗示も考えて選択肢に使っていたということかしら」
キレイ「その通りだ。そして今回選ばれた選択肢『審判の逆位置』の暗示は……」
カレン「再起不能、後悔ね。なるほど、バッドエンドに相応しい暗示だわ」
キレイ「他にも破壊、破滅を暗示している『塔の正位置』などが選択肢に出てきたら要注意、というところか。
まあ暗示よりイメージを優先しがちなので停止、損失を暗示している『死神の正位置』も死亡フラグとして使われやすいが」
カレン「だからといって、必ずしもこれらのカードを選んだら即バッドエンド、というわけではないのですよね?」
キレイ「うむ。まあ、まず良い結果にはならないだろうがな。
それでも場合によってはあえてこれらのカードを選ぶ必要もあるやもしれん」
カレン「ところで、タロットカードといえば……例の漫画は関係あるのかしら」
キレイ「いや、あくまでカード自体のイメージと暗示優先だ。
とはいえ、中の人間はどのカードがどのスタンドと対応してるかを即答できる程度にはその漫画を嗜好している。
場合によってはネタとして絡めてくるかもしれんな」
キレイ「さて、それではわざわざ我が教会を選んでくれた皆様のために、この教会でしか聞けないボーナス情報を授けよう」
カレン「実は他の所でも、別のボーナス情報を用意していたみたいなのですが」
キレイ「こらこら、それは秘密だろう。住人が、他の所でどのような情報が与えられるのか気になって、この教会を選択した事を後悔してしまうかもしれないではないか」
カレン「まあ、それは失礼。つい本当のことを明かしてしまっただけなのでお気になさらないように」
キレイ「それではこの教会のボーナス情報だが、このプロローグの三日間における我々の行動だ」
カレン「微妙に役に立つのか立たないのか分からない情報ね」
キレイ「まず初日だが、私はまだ表立った行動はしていない。いつものように泰山で麻婆豆腐を食べていただけだ」
カレン「衛宮杏里の選択によってはこのモジャ神父と泰山で出くわしてたわけですね。
結局、彼は新都を選んだため、聖杯戦争の調査で冬木に送られた私と出会うことになるのですが」
キレイ「衛宮杏里はすぐに学園に戻ってしまい、出会っただけで終わってしまったのだな」
カレン「ええ、新都をうろついていたり、のんびりバスを待っていたりしたなら、その隙にフィッシュできたのですが」
キレイ「ところでシスターカレン、君にカレーを勧めた先輩というのは……」
カレン「おそらく、ご想像の通りの人物かと」
キレイ「彼女が実際に登場する可能性はあるのかね?」
カレン「いえ、彼女が来てしまうとパワーバランスが大幅に狂って話が破綻してしまいますから。あくまで彼女の存在を仄めかせたネタです」
キレイ「まあ、わかる人にだけわかればいい、ということだな」
カレン「その後、衛宮杏里を逃した私は、新都のビジネスホテルに部屋を取り、そこを調査の拠点にしました」
キレイ「そういえば、衛宮杏里が妙な勘違いをしていたな。君が衛宮士郎に『お兄ちゃん』と言ったとかなんとか……」
カレン「銀髪の女の子、なんて紛らわしい説明をする衛宮士郎が悪いのです。
まあ、もうすぐ本人が杏里の前に現れるでしょうから、無駄な伏線になるでしょうけど」
キレイ「さて、次は二日目だ。私は日中は相変わらず教会で雑事だ。泰山から出前を取ったら衛宮杏里がやってきた。
もっとも、この時点では私にとって衛宮杏里は『いつものバイト君』だ。特に会話も無く、衛宮杏里は帰った」
カレン「私は、新都の下調べです。選択によっては夕方頃に公園で凛と出会うはずだったのですが……」
キレイ「凛が出会ったのはバイト帰りの衛宮杏里。残念だったな。
一方、私は、夕方にはバゼットと会う約束をして、彼女が拠点としている洋館へと行った。
あとは……語るまでもないだろう」
880 名前: 運命夜行 ◆ujszivMec6 [sage 教皇の正位置] 投稿日: 2007/03/21(水) 01:51:45
カレン「そして三日目の朝、私は言峰教会に挨拶に伺います」
キレイ「何故すぐに教会にやって来なかったのかね?」
カレン「貴方の身辺調査も任務の一つだったからです。何しろ前回の聖杯戦争の参加者ですから」
キレイ「ふむ、原作に比べると、この世界の私は教会に信用されていないようだな」
カレン「私のような見習いを遣わせるあたり、あまり重要視もされていないみたいですが」
キレイ「その後、私は彼女に冬木市の案内も兼ねて深山町に行った。当然、昼食は泰山だ」
カレン「なかなか刺激的な辛さでした」
キレイ「泰山の麻婆は先輩に勧められたというカレーよりも美味かっただろう?」
カレン「カレーが至高の料理だとすれば、麻婆はまさに究極の料理でしたね」
キレイ「……それは微妙に麻婆が負けているように聞こえるのだが。
まあいいだろう。そして泰山での食事中、何故か衛宮杏里と、それを追っていた凛が店内を駆け抜けていった」
カレン「他人の食事中に隣を走るなんて。マナーが悪いにもほどがあるわ」
キレイ「さて、これで今の話に追いついたはずだ。この後の我々の行動は選択肢次第ということだな」
カレン「そろそろ謎の銀髪シスター扱いではなく、ちゃんとした出番が欲しいのですが」
キレイ「それこそ選択肢次第だな。ところで、何か他に質問はあるかね?」
カレン「どうやらスレでは、衛宮士郎と衛宮杏里のどちらが兄でどちらが弟かが話題になっているようですね。
話の中では双子と言ったり兄弟といったり、あえてぼかしているみたいだけれど、結局どうなのかしら」
キレイ「ふむ。まず、衛宮杏里は衛宮士郎のことをお人好しがすぎて危なっかしい弟として見ているそうだ。
一方、衛宮士郎は衛宮杏里のことを天邪鬼だが本当は優しい弟として見ているらしい」
カレン「……お互いに弟として見ているわけですか」
キレイ「子供の頃はどちらが兄なのかでよくケンカもしたらしいな。
周囲の認識は人それぞれというところか。衛宮士郎が兄だと思っている者もいれば衛宮杏里が兄だと思っている者もいる」
カレン「実際はどうなのですか?」
キレイ「そもそも実際は兄弟ではないからな。衛宮杏里は自身の正体を知っているから衛宮士郎が実の兄弟ではないことはわかっているし、衛宮士郎も別に記憶喪失ではないので、衛宮杏里が実の兄弟でないことはわかっている。
衛宮士郎は衛宮杏里が自分にそっくりなのを多少不思議に思ってはいるが、今のところそれを追及するつもりはないらしいな。
もっとも、もうすぐ衛宮杏里の正体が衛宮士郎にバレてしまうわけだが」
カレン「楽しそうですね」
キレイ「ああ、衛宮杏里の正体を知った時の衛宮士郎の反応が楽しみでたまらないな」
カレン「……おそらく、貴方の期待する反応は得られないと思いますが。何しろ衛宮士郎ですし」
キレイ「さて、これにて今回の我が教会からのアドバイスは終了だ」
カレン「それでは、次回も懲りずにこの教会を訪れてください」
戦車の正位置:今すぐに弓道場に迎えに行こう
吊るされた男の逆位置:士郎が帰ってくるまで待とう
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最終更新:2007年03月23日 03:33