752 名前: 371 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/08/14(月) 02:05:24
魔術師とは、契約で生きる生き物だ。
人間としてどれだけ相手を信頼していようとも、魔術師としての己は何者も信じない。
魔術とは突き詰めれば孤独でしかない。
故に、必要なのは信頼ではなく鎖。
口約束から血の交わりまで、あらゆる鎖で互いを繋ぐ。
まあ、半人前の魔術師である俺がそこまで深刻な契約を考えていたわけもなく。
ただ単に、この短時間の中で感じた、水銀燈への好意の証として。
俺は水銀燈の差し出した左手の指輪に、ゆっくりと軽く口付けをした。
弾ける閃光。
一瞬焼けるような熱さが俺の左手に走ったかと思うと、
次の瞬間、俺の左手の薬指にも、水銀燈のしているものと同じ指輪が嵌められていた。
「……これでいいのか?」
「……ええ。これであなたは私の下僕よぉ、士郎」
人間ではなく士郎、ね。
どうやら俺と水銀燈の契約は、それなりに悪くない形で始まったようだ。
ただ、このときの俺が考えていたのは、この一人の人形のことだけで。
水銀燈が言った『私たち』という言葉の意味を知るのは、もう少し後になってのことだった。
753 名前: 371 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2006/08/14(月) 02:06:19
さーて、来週の銀剣物語はー?
セイバーです。
先日シロウの話を聞いてから、凛のお下げが気になって仕方ありません。
あの後ひとりでに凛の元へ帰っていたようですが……むう。
ところで、最近シロウは頻繁に土蔵に籠もっているようです。
壊れたものの修繕にしては、回数が多いような気がするのですが……?
さて次回は、
「銀様の土蔵リフォーム計画」
「赤い主従、更に赤いの追加」
「猟犬と庭師」
の三本です。
来週もまた見てくださいね。
じゃん、けん、ぽんっ!
ぐー :「銀様の土蔵リフォーム計画」
ちょき:「赤い主従、更に赤いの追加」
ぱー :「猟犬と庭師」
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最終更新:2006年09月03日 18:56