903 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 四日目・夜:探索者] 投稿日: 2007/01/08(月) 03:31:28

ありとあらゆる事のためにも、マスターを早く探さねばならない。
「……だったら」
コンクリートの地面に手を付く。

考えてみれば直ぐに分かることだ。
どんな人物だろうと、魔術は隠匿されるべき物のはずだ。
それなら最大級の神秘であるサーヴァントの隠匿は当然のことだ。
仮に魔力補充のために人を襲うにしても、出来るだけ人に知られることなく、尚かつ多くの人数を襲わねばならない。
そうだとすれば……可能かどうかは分からないが、人払いの結界に何らかのフィルター――例えば魔術の高い人間など――を掛けて、一部の人間に対しては逆に人寄せになるような魔術を使う事で深夜だろうと、そう言ったことが出来る魔術師ならば可能なはずだ。
こんな空中でも戦いが起こっていたような夜でも、人が街から消えることはないのだから。
「解析、開始――」
……あった。
解析し、この空間、この地面に確かに魔術が働いていることが分かった。
どういった魔術かまでは解析することは難しいが、予測が正しければ、そう言った、一部の人間だけを誘う魔術の筈だ。

衛宮士郎の魔術はそう言ったことには向いていない。
遠坂凛という師を得、修行して尚この程度が今の限度だ。
であるが故に、この魔術の種類ではなく、起点を探索することに全力を傾けなければならない。
起点は……そう遠くない、起点から発せられている波のような波長、これが魔術の正体か?
「あそこ……か?」
裏通りに入り、その先の雑居ビル入り口に向かう。
ビルには電気は付いていない。
「でも……鍵はかかっていない、か」
軽く入り口のガラスを押してみると、簡単に開いた。
だとすれば、ここか?

入ってみて分かったがこのビルの一部は改装中らしい、一部の壁は崩れているし、鉄パイプや釘打ち機やラチェットレンチやスパナ、その他多数の工具類が放置されている。
……正直に言えば、レンチや穴開けドリルなどはちょっと欲しいくらいランクが高い、買えば数万円する代物だ。
普通に使う物なら数千円の代物でも十分だし、その価格帯でも良い出物はあるし。
「……いや、そういうことを気にしている余裕も時間もないな」
この状況でも一部は営業していたのか、電気こそ消えているが一部の店には暖簾が下がったままだ。
「……よし」
入り口に放置されたままの工具を幾つか手に取る。
魔術師としての力量は恐らく相手が上だろう。
だとすれば、勝てる可能性を上げるためにも、相手に情報を与えてはならない。
出来るだけ、切り札……投影は伏せておくべきだろう。
「同調、開始――」
握ったままの鉄パイプを強化する。
それは思っていた以上にあっさりと成功し、手に馴染んでくれた。
警戒しながら奥へ進む。

薬局、ディスカウントストア、ジャンク屋、古物商、質屋……
多数の店が開けっ放しになっているが、人らしき気配は無い。

鍵のかかった部屋……店舗は調査から除外する。
人が来るか分からない以上、わざわざ鍵まで掛けて隠れる事はないだろう。
マスターは恐らく、あのサーヴァントが見える位置に居る……
「……と、すれば屋上か?」
このビルの高さは結構あった。
魔術の効果範囲がどの程度かは分からないが、上空だけならビルに視界を遮られることなく十分に見渡せる。
それなら、ビルの部屋よりも屋上に居る可能性もある。

そこまで考えてあることを考えつく。
罠である可能性は?
さっきのように考えさせて、屋上に罠を張る。
引っかかるかどうかは不明だろうが、追跡者は倒してしまおうという考えならあり得なくはない。
廊下から先生と敵サーヴァント、二人の様子を見る。
「……くっ」
自分か、先生か、どちらかが気付かれてしまったのか、空中で戦闘状態に入っている。
先生の地上での強さはともかく、壁面を蹴りながらの空中戦はいくら何でも厳しすぎる。


調査:ビル内部の部屋の調査を続行する
屋上へ:部屋を無視して屋上へ向かう
ブービートラップ:ならばこちらもビル内に罠を用意できないか?
援護攻撃:ビルを出てセイバーの援護に向かう
物音:「ん?」今何か聞こえなかったか?

投票結果

調査:0
屋上へ:0
ブービートラップ:4
援護攻撃:0
物音:5 決定

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最終更新:2007年07月19日 17:53