145 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 四日目・夜:闇を裂く銃弾] 投稿日: 2007/01/20(土) 04:33:03

……いや、そう考えさせるのも罠だとしたら?

先程までの思考をトレースすることは難しくはないだろう。
その前提から動くとしたら、この部屋には何も仕掛けず次か、その次の部屋に罠を仕掛けておく……
ちらりと穴から次の部屋を覗く。

食料品店、いや、どちらかというと仲買業者みたいな物か?
大量の片栗粉や薄力粉、その他業務用の品々を乗せた種々のカートが並んでいる。
……現在の衛宮家の事情を考えればこういったところで購入した方が良いような気もするが、っと、いけない、今は戦闘中だ。
気を抜けばそこに帰れないんだ。
一度深呼吸をしてから行動を再開する。

「トレース、オン――」
視力を強化し、カートの隙間や天井などを注視する。
拳銃が幾つか落ちている。
敵が逃げる際に落としたのだろうか?
……怪しい物をみつけた。
カートの隙間に、闇に溶けそうなほど黒い、だが太い糸が張られている。
周囲の陰を警戒していれば気付かない程度の糸だ。
その先に視線を移す。
「小麦……粉?」
巨大な小麦粉の袋。
あの大きさからして恐らく25キロサイズの袋が……合計8つ、200キロか。
視力の強化を止め、一息つく。

目的はなんだ?
あれだけ大量の小麦粉を頭から被れば激しく咳き込み、さらにこの重量を頭から受ければ痛みで動きを止めるだろうがそれでどうしろというのだ?
止めるだけか、それとも、何か攻撃手段があるのか。
「どちらにせよ、引っかからない方が良いか」
罠を警戒し、拳銃は無視する。
そして糸を避けると他の罠に引っかかるという代物もなさそうだ。
ひょいと糸を避ける。
その瞬間、ボフという音が聞こえた。
周囲を警戒すると、小麦粉の袋が落ちかけていた。
「んな……」

驚きと同時に逃げ出し、物陰に隠れる。
隠れるのとほぼ同時に小麦粉が落ち、僅かな音と共に小麦粉の煙が部屋中に充満する。
腕で口元を隠しマスク代わりにして、伏せた。
コートやズボンが小麦粉が大量に付く。
「っ……」
目にも入ってきた。
思わず目を閉じる。

それと同時に、拳銃ではなしえない連続した発砲音が耳に響く。
「機関銃か?」
伏せていたのが助かったのか、大量の弾丸が壁を貫通し、カートを破壊し、遮蔽物という遮蔽物を貫通して弾丸が頭の上を掠めていく。
「くそっ……とにかく反撃を……」
連射は数秒で止まる。
拳銃を弾丸の飛んできた二つ先の部屋に向け、その瞬間に凍り付く。
「敵の狙いは、これか……!」
通常発火物にしかならないような物体が空中に粉として漂っている状態で火が撒かれた瞬間、空中に漂う粉、つまり粉塵が連鎖的に発火、爆発する現象、粉塵爆発。
つい数日前にそんな特集を見ていて、そして色々と考えていて助かった。
そうでなければ無駄だと分かった上で、当てずっぽうに拳銃を連射していただろう。
銃は撃ち出す瞬間マズルフラッシュが発生する。
マズルフラッシュは詰まるところ火で、そんな物が小麦粉が撒かれた中で起これば、場合によっては粉塵爆発が発生する。
毎度毎度起こるわけではないだろうが、もしかしたら起こるかも知れない。

粉塵爆発を期待していたのか、起こらないことを確認して、再び連射が始まる。
「くっ……」
壁を撃ち抜き、残骸となり始めたカートが吹き飛ばされて、完全に残骸になる。
さらに隠れている壁をも貫通し、頭の上を次々と飛んでいく弾丸を考えると、この弾雨の中では立ち上がれない。
連射は数秒おきに止むが、弾丸の節約と考えればいつ終わるのかは分からない。
それに、機銃が一挺とは限らない。
下手に突撃して機銃の前に立てば死は確定だ。
そんな状況ならば、躊躇してはいけない。

どうするべきだ?
どうしなければならない?


ブリストル223:連射が途切れた瞬間幾つかの拳銃を回収し敵のいる方向へ連射する
シュド・カラベル:匍匐のまま一度部屋を出て廊下から敵の元へ向かう
ストリーシュ:匍匐のまま部屋の中を通って先の部屋へ向かい、隙を狙う

投票結果

ブリストル223 1
シュド・カラベル 5 決定
ストリーシュ 1

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年05月21日 17:27